第27話 盗賊と魔王
「この嬢さんになにか知ってそうっすね」
「ああ。でもなにも喋らなそうだ」
「っすね」
「もういい、行くぞ。魔王にかまっている暇はない」
「う~す」
ルックは
だが……。
「行かせない!『
「ちょ、嬢さん?別に俺らあんたと闘おうなんて気、微塵もないんだけど」
ストロンはめんどくさげに私を見る。
私はストロンを強く睨む。
「えぇ……戦わないといけない?」
「っすね。戦わなきゃいけないっぽいっす」
「めんどくせぇ……」
「やりますよ」
「わーったよ……。『
また毒の球が出現する、が。
「『
私がそう唱えると毒の球は消える。
「あーっ!めんどくせぇ!こいつ解除魔法まで使えるのかよ!戦った時間ロスなんて騒ぎじゃ済まねえ、日が暮れちまう!この依頼に失敗すると、俺がお偉いさんから大目玉を食らう!ルック!逃げるぞ!」
「っすね!逃げた方が得策っす」
二人はそう言い残すと走り出す。
「クソ!つーか魔王がいるなんて聞いてねえよ!話と違うじゃねえか!」
ストロンの怒声が聞こえる。
かなりご乱心のようだ。
「ルックお前にも掛けるぞ!『
その程度だったら余裕で追いつける。
「いやマジ、偉いさん何してるんすか。魔王と敵対することになるんなら俺らこんな依頼受けてないっすよ」
「ほんとにそうだよな……ってもう魔王追いついてきてるじゃねえか!クソが!」
「
私がそう唱えると、無数の炎が彼らを襲う。
「クソったれ!こんな量俺の魔法じゃ消化しきれないぞ……」
「っぽいっすね。俺が消化します。といってもこんな量連発されたら無理っすけどね」
「気休めでもいい、頼む」
「
なにか魔法を使うつもりらしい。
「『
ルックがそう唱えると、私が出した無数の炎を手に吸い込んだ。
「っぷ。キツイっす」
なるほど。私の魔法を喰ったのか。
そう言う魔法もあるんだな。
だが相手の魔力は恐らく白魔力。
魔力の覇気からして間違いない、
私の黒魔力とは相性が悪い。
喰ったところで、栄養になるどころか、むしろ胃もたれするだけで、邪魔になるだろう。
「うへぇ。なんかこれ不味いっす。しかもなんか気持ち悪いっす」
「なんだ?魔力相性が悪いのか?」
「っぽいっす。となると相手の魔力は黒魔力っすかね?」
「そうだろうな」
「胃もたれしているところ悪いけどもいうっぱつ行くよ『
そう言うと無数の烏がストロン目がけて飛び立つ。
「あ、こいつはいける『リヴィングジングス キル』―――――弾けなカラス」
「ブチッ――」「ブッシャァァァ―――――」と
「『
無数の蟻がストロンの体を
「『リヴィングジンクス キル』―――――だから、効かないって」
蟻はまるで砂に変化したかのように崩れ落ちる。
「てかさ。こいつどんだけ魔力あんの?こんだけ使ったら普通は魔力切れで倒れるだろ……」
「こういう系統の魔法だったら別に痛くも
今気付いたことがある。
私は
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