第二章 メイドと王子と危険な国と
第15話 当選と言語の壁
エネミルとの戦闘の後、またいつも通りの日常へがやってくる。
横を見ると、彼の墓は今も健在だ。
いや、建在という表現は正しくないな。
「クロス!クロス!クロス!」
ルナが叫びながら駆けてくる。
うるせえ……。
「当選したよ!」
「何がだよ」
「旅行券!」
「は?」
「今日、
どんだけ早口なんだよお前。小学生か!お前は……。
っていうか、あれって当たり入ってるもんなんだな。
ディスニーランドのペア入場チケットみたいに当たりは入ってないのかと思った (俺調べ)。
「当たったからにはさ、明日に行こうよ」
まじか。
というか「当たったから」と「明日行こ」は言葉としておかしいからね……。
全然つながらないからね……。
「それに息抜きも兼ねてさ」
いや、俺ここ来てからやった事って、敵との戦闘ぐらいなんだけど……。
息抜きもクソもないと思うのだが。
それ以前にオリエンルって外国だろ。
「俺ってそのオリエンルの言語話せるのか?」
「話せるよ。全世界で使う言葉は一緒だから」
「え?日本語が?」
「違うよ。ここ君たちでいう、異世界だよ?日本語なんて使ってるわけないじゃん」
「じゃあなんで俺が話せるんだよ」
「あれ?言ってなかったっけ」
言ってないな。
「
「あ~なったなった」
「あの時に、この世界の言語をを無理やり脳に入れたから、脳に負荷がかかって、少しでも、かかる負荷を少なくするために視界をシャットアウトしたんだよ」
へー。
「あれ?でも、バルメントから逃がされる時も白くなったけど……」
「あれは、光りに「包まれる」でしょ「視界が白くなる」とは全くの別物だよ?」
恥ずかしい質問をしてしまった……。
つらい。
こう、自分が間違えると死にたくなってくるよな。
本気で死のうとは思わないが。
ちなみに俺たちは、ルナが大災害後も使い続けている「魔王城(命名俺)」というところで、睡眠を
ちなみに外観は「城」言っているもののただの一軒家だ。
大災害からたまたま助かった家を使ってるだけだからな。
翌日。
俺たちはサルジニルグを出て、旅行券に書かれている「パミーフクス都心。
いや、別に旅行に行くのはいいんだが……。
国の復興はどうした?
そう思わずいられない俺だった。
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