第2話 彼女
私は出て行った彼女です、あの人の事を嫌いになったとか、煙草の匂いが嫌いになったとかで家を出たわけではありません、けっして好きな男性ができたということでもないです。2日前変な電話がかかってきました。
「お前がいることでお前の彼氏の命がないぞ」と私はとっさに電話を切り彼氏に連絡を取ろうとしたのですが「このことを彼氏に言ったり第三者に告げ口したら、お前と彼氏の命もないからな」と言われました、私はどうしたいいかわからなくなりました。期限は三日後の10:00でそこまでは彼氏と一緒にいてもいいそうです、私は頑張ってレシピを見ながらいつにもない料理を何品も作り上げました、これで最後、これ最後と思いながら彼氏の煙草の本数も見逃していた。
私にとって彼氏はとても私の事を大事にしてくれていて私も彼の事を大事に思っていた、それなのにあんな電話ひどい、電話が終わり受話器も戻さず私は泣き崩れた。
このままどうしたらいいのかわからず、私は彼氏にばれないように少しずつ荷物を片づけ始めた、彼氏を危ない目に合わせるわけにはいかなかったが私は居なくなることによって彼に危害が加わらないならそれでよかった、大切なあなたに危害が加わる方がいやだった、なので私はこの家を出ていくことに決めた。私は彼と離れたいと思ったことはなかったし、一緒にいたいとずっと思っていたがその想いが叶わなかったみたい、そんな簡単な願いがかなわないとなんて思ってもみなかった
3日後の朝 10:00 近くの三角町公園に来いと命令された。私は持てる荷物を全部持って三角町公園で五分前で待っていると、サングラスとマスクをした4人組がやってきた、どこからみても怪しい四人組だしこの四人組で間違いないだろうと思った。
私は自分の荷物を取るとふたりが代わりに荷物を持ってくれようとする、何故か負けた気がして荷物を全部持つと一人が「無理しなくていいのに」と鼻で笑われてなんか悔しかったけど、自分の荷物くらい自分で持てるっていう気持ちが勝っていた。
こんな訳の分からない奴らに負けたくなかった、私の彼がこんな奴に負けるのも悔しかったし、私もこんなやつらに負けるのも悔しかったので自分の荷物くらいは自分で持った、ささやかな抵抗であった。公園の横に置いてあるバンに乗せられ目隠しをする体感1時間くらい入ったところで止められ目隠しを外され「地下に降りろ」と命令される、地下一階は元クラブみたいな作りで一人椅子に座って煙草を座っている男がいた。絶対マッチでつけない匂いがする、マッチでつけないタバコはかすかにオイルの匂いがする、マッチでつけた煙草はかすかに木の燃えた匂いがする私はオイルの匂いが嫌いで、この人の事も一瞬で嫌いになった、私がこれからどうなろうがどうでもよく、そんなことよりもオイルのライターの煙草を吸っている人に何かをされるのがいいやだった。
マッチの火は儚く消える 櫻井 @usamimi0923
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