第10話:店の前の怪しいふたり組。

ある日のこと、魔女のメイドカフェ・ソルシエールのメイドの子が、お店の表

を掃除してる時に怪しい二人組の男を見かけたってレイちゃんに報告して来た。


店に入るでもなく・・・そつらは店の外でメイドに見られると、こそこそ

どこかへ消えてしまうらしい。

で、また次の日もやはり店の外にいる。


そこでレイちゃんが怪しい男どもに声をかけた。


「あなたたち、お客さま?」


「・・・・・」


「なんでいつもそこに立って店の様子を伺ってるんですか?」

「あなたたち、もしかしてマルシヴァルの配下の人たち?・・・図星でしょ」


そう言われて男どもは開き直った。


「ケッ・・・おまえらこんなところに逃げ込んでたとはな・・・探したぞ」

「この前、おまえんちのメイドが商店街で魔法使っただろ?」

「マズかったよな・・・あれ、おれ俺たちにバレてんだよ」


「さっそくマルシヴァル様に伝えなきゃな・・・」


「ああ、なるほど商店街のことはまだマルシヴァルには知られてないんだ」

「それじゃ、あんたらを「ミルドゥフォレ」帰さなきゃいいんだね」


「なんだと?やる気か?たかが魔女ごとが俺たちに勝てるとでも思ってるのか?」

「どうせだ、マルシヴァル様に出張って来てもらうこともないだろう・・・

俺たちでこの店ごと消し去ってやるよ」


男どもを最初に見つけたメイドさんが表でもめてる様子をエンリードとウィッカに

知らせに行った。

ちょうど俺も店にいたから、エンリードとウィッカの後に続いた。


店の表に出たウィッカ。


「なにごとです?」


「あ、ウィッカいいところに来てくれたよ」

「私、魔法使えないからどうしようって思ってたの?」

「こいつらマルシウヴァルの手下みたい・・・店の様子を伺ってたの」

「あんたが商店街で魔法使ったの、やっぱりこいつらにバレてたみたいだよ」

「でもまだマルシヴァルには伝わってないみたいだから・・・」


「そう、じゃ〜私の責任ね」

「あななたち、私がお相手します・・・「ミルドゥフォレ」には帰しませんよ」


「なんだ、ぞろぞろ出来来やがって」


「ウィッカ、大丈夫?・・・もしあいつらとバトルになったら俺が盾になるから」


「大ちゃんは魔法使いじゃないから危険だよ?」


「俺には魔法は効かないんだろ?」


「そうだけど・・・」


「なにごちゃごちゃ吐かしてんだよ・・・おまえら全員消してやるよ、覚悟しな」


「おまえらマヌケ面に好きにはさせないよ、バーカ」


「なんだと・・・おまえも魔法使いか?」


「俺は人間だよ・・・おまえらの好きにはさせないからな」


「あの〜あななたちここで戦ったら周りのみなさんにご迷惑がかかりますから

人気のない場所に移動しません?」


「ウィッカはなに呑気なこと言ってるの」


ウィッカの後ろにいたレイちゃんが言った。


「移動してる暇なんかねんよ・・・ネエちゃん」

「他へ移ってどうすんだよ、ここで店ごと消さなきゃ意味ないだろ?」


「あななたちこそ消しちゃいますよ」

「魔女なんかに負けねえよ・・・行くぞ、覚悟しな」


そう言うとふたり組は手から光の玉を発動して何発も俺たちに向けて発射した。

光の玉がなんなのかは分からないけど、当たったら大変な致命傷を負いそうだった。

光の玉は、一斉にみんなのところに飛んできた。

俺は思わずてウィッカたちを守ろうと両手を広げた。


そしたらなんと俺の体をブルー色したオーラかバリアかなにかが現れた。

想像だが俺の体は危険を感じたら自分を守るような能力があるのかもしれない。


やつらの放った光の玉は俺のバリアにはじき返されて街中に飛び散った。

俺たちに被害はなかったけど街への多少の被害は免れなかった。


「なんだ、こいつ・・・人間だろ?なんで魔法使ってるんだよ」


「みんな大丈夫?」


「大丈夫みたいだよ、大福」


レイちゃんが言った。


「大ちゃんすごいね・・・ありがとう、やっぱり魔法が効かないんだね」

「今度は私の番だよ」


そう言ってウィッカは空に向かって呪文を唱えた。


そしたらどこからともなく人の形をした水の塊と同じく人の形をした炎が

二体現れた。

ウィッカは水の精・ウンディーネと火の精・サラマンダーを召喚したのだ。


つづく。

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