第9話:四大精霊。
「ウィッカ・・・なにかあったの?」
「うん、大ちゃんに私が魔法使うところ見られちゃった」
「うそ、まじで?・・・」
「だけど、そんなのアエリオルに頼めば大福の記憶消してくれるでしょ?」
「それがダメみたい・・・大ちゃん魔法が効かない体質みたいなの」
「だからね、しかたないから全部説明しようと思って・・・」
「待って・・・このことエンリードに知らせておかないと・・・」
そこでエンリードが呼ばれて、彼女たちの秘密を知った俺は魔女たちに
この世から消されちゃうのかと思った。
だけどそんなことはなかった。
「しょうがないわね・・・」
エンリードは俺にソルシエールとメイドさんたちのこと、魔法の国のこと
悪い魔法使いマルシヴァルのこと、魔法の国「ミルドゥフォレ」でなにが
起こったか、そして女の子を連れてこの人間界にやってきたことを話して
聞かせてくれた。
俺はしばらくなにも言えなかった。
それってファンタジー小説の中の話しじゃん。
ウィッカちゃんは普通の可愛いメイドさんだと思ってたのに、ようやく
付き合ってもらえることになったってのに・・・なんだか遠い存在になった
気がした。
レイもアンもなにも言わずにエンリードの話しを聞いていた。
少し落ち着いたところで俺は、ウィッカが呼び出した風のことを聞いてみた。
「あの子はアエリオルって言って風のシルフだよ」
「私、精霊を呼び出すことができるの・・・他に水の精霊・ウンディーネに
火の精霊・サラマンダー、土の精霊・ノーム・・・四大精霊を召喚することが
できるの・・・それが私の魔法だよ」
「ああ、あれは風の妖精だったんだ」
「だけど商店街で起こったことは大ちゃん以外誰も覚えてないから大丈夫と
思うけど・・・」
「ウィッカちゃん、魔法の国ではどうか知らないけど、商店街には防犯カメラ
ってものがあるんだよ」
「どのかの防犯カメラに、ウィッカちゃんのことが映ってる可能性あるよ」
それにスマホで動画撮ってた人がいたかもしれないし・・・」
「もし、ネットに拡散されたら・・・マズくない?」
「それはパフォーマンスだからってなんとか誤魔化せると思うけど」
「問題はマリシヴァルの手下の魔法使いが人間界に来ていて、そいつらに
今度のことが知られたらやっかいね」
エンリードが言った。
「そうか・・・せっかく人間界で平和にやってたのにね、ウィッカちゃん
ごめんね、俺が商店街になんか連れていかなきゃよかった」
「う〜〜〜ん、そんなことない・・・大ちゃんは悪くないから」
「どっちにしてもしばらく様子見ね・・・これでなにもなかったらそれでよし」
「もし、マルシヴァルに見つかったら戦うまでね」
エンリード腕組みしてそう言った。
「相手も魔法使いなんだよね・・・俺には魔法が効かないみたいだから
俺が盾になれば、ウィッカもソルシエールのみんなも守れる・・・」
「大ちゃん、相手は、そこらのチンピラじゃないんだよ?」
「だって黙って指を咥えて見てる訳にはいないだろ?」
「こうなったら俺もみんなの仲間だから・・・ウィッカは俺が守る」
「レイもアンも俺が守る」
「エンリードさんは俺が守らなくても大丈夫ですよね」
「なに?私は守ってくれないの?」
「か弱そうに見えないから・・・」
「私も女だけど・・・逃げる魔法は得意なんだけど攻撃系はいまいちかな?」
「それにウィッカは魔法が使えるけど、レイや他の子は魔法使えない子もいるから」
「分かりました、いざとなったら命かけて俺がみんなを守ります」
普通なら誰かを守るなんて勇気出ないんだけど、俺はウィッカを心から
愛してるから・・・マルシヴァルから愛する人を守れないようじゃ魔女の彼氏なんてつとまらないだろ?
俺はウィッカやレイやアンやエンリードさんやソルシエールのみんなを守って、ウィッカちゃんを俺の恋人にするんだ。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます