第18話 Love so sweet(18)
「だから! 漢方の風邪薬!」
もうそう押し切るしかないと思っていた。
「・・なにやら。 中国語でいろいろ書いてありますけど?」
ゆうこはまるで犯人を追いつめるデカのように
そのクスリの袋をテーブルに叩き付けた。
「・・中国語、読めるんか?」
ちょっと心配になって聞いてみた。
「読めませんけど。 でも、なんっか・・アヤシイ漢字がここかしこに書いてあるのはわかります!」
彼女は
神経が非常に細やかなので
人の気持ちにも非常に敏感だ。
おっとりしているようで
呆れるくらい勘が鋭い・・
「ヘンなクスリ! 飲んだんじゃないでしょうねっ!! てゆーか、コレどこで手に入れたんですか!」
だんだんと
彼女の怒りのボルテージが上がってきた。
「へ、ヘンな薬ちゃうって。 滋養強壮や・・うん、滋養強壮。」
便利な四字熟語や。
「滋養強壮??? 精力剤??」
ゆうこの頭の中ではそう変換されたようだった。
「そんなモン飲まないと! ダメなくらい・・あたしがダメってことですかっ!?」
もう一気に針が振り切れちゃって。
「だ、ダメやなくって! も~~~~、男はイロイロ大変なんやって!!」
こっちも振り切れそうだった。
それから
ゆうこに『泣き怒り』をひとしきりされて。
そのクスリを難波社長に貰ったことも全部吐いてしまった。
いや
吐かされた。
そんな恥ずかしいことを人に相談するなんて!
と
また彼女は泣いて怒った。
気がついたら
もう土下座をせんばかりにおれが謝って。
謝り倒すという
非常に情けないことになってしまったのだった。
せっかく
身も心も『夫婦』になったなあ
あんなくだらないことでケンカになるとは。
非常に腑に落ちない気持ちだった。
その上。
「ねー。 『妙なクスリ』そんなに効いたん?」
南からいやらしい笑いを浮かべた問いかけをされ。
おれにあんな恥ずかしいこと相談して!
なんて怒ったくせに。
『こんな恥ずかしいこと』
を南に思いっきり相談してるやん!!
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