第12話 Love so sweet(12)
「志藤さん・・?」
ゆうこは心配そうに自分の顔を覗き込んだ。
ふっと我に返って
「・・ごめん、」
慌てて彼女から離れた。
ベッドから起き上がって、
「・・シャワー、浴びてくる。」
慌てて部屋を出てしまった。
確かに飲んではいたけど。
今までならこんなことで・・ありえない。
シャワーを頭から浴びながら、自分の身体の『異変』に本当に動揺していた。
あんなに彼女を抱きたかったのに。
いざとなったら
臨戦態勢
にならない。
あ~~~
このおれが!
ありえへん!
こう言っちゃなんだが
昔は
一晩に時間差で二人の女性を・・なんてこともあったし。
そのおれが!!
今まで積み上げてきた自信が
ガラガラと音を立てて崩れて行くようだった。
「・・いってらっしゃい、」
翌朝
ゆうこは何だかすごく気を遣っていて。
「・・ん、いってきます。」
惨めで振りかえれなかった。
「なに、も~~~~。 元気ないわね、」
イベントが近づいて
難波社長、いや『ナンちゃん』とは毎日のように打ち合わせだった。
あのオカマバー以来
『ナンちゃん』
『志藤ちゃん』
の仲になり
これまでこういった人たちと友人関係になったことがなかったので
ものすごく新鮮だった。
男としての気持ちも
女の側の気持ちも
すごく理解していて
今まで知り合ってきた人たちとは明らかに違う『人種』だと思った。
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