カキネ村編 ヨルと、生意祭【せいさい】

コンコンと玄関から音がなる。「ヨルでーす。ホムラ君迎えに来ました」そう声が聞こえると、かぁちゃんが玄関のドアを開けに行く。「あらあら、ありがとうねぇ。いつもホムラが、迷惑かけるわね」「いえいえ、お姉さんですから!」そう胸をはるコイツは、ヨル。家が隣で何かする時、大体一緒にいる、いわゆる幼馴染ってやつだ。「何が、お姉さんだ!俺と二月しか生まれ変わらねぇだろ!」そしたらヨルは、勝ち誇った顔で「その二月がでかいのだよフッフッフー。それに、日頃の行いを見ていればどちらが、上か分かるというもの。」「ぐぬぬ、フン!」


「相変わらず仲が良いな、二人とも」そう言って笑顔で俺らの頭撫でるとぉちゃん。「そんな事ねぇ!」つい恥ずかしく言い返すと、「しくしく、お姉ちゃん悲しいよ」と、ヨルが泣き始める。「違うんだ、、その、本気じゃなくて、その、」するとみるみるうちに泣いてたヨルが、ニマニマと笑い、「もぉ可愛なホムラは!よーしよしよし」その瞬間俺は嵌められた事に気づいた。「嘘泣きかよ!ヨル!やっぱり嫌いだ!」「はいはい、私はそんなホムラが、大好きだよ」不覚にも照れてしまう。悔しい!「ホムラ早く準備してきなさい。今日は大切な日でしょ。それにヨルちゃん待たせるんじゃないなわよ。嫌われるわよ!」するとヨルが、「私はそんな事じゃ嫌いません!ホムラ君安心して」「うるせぇ!早く準備してくるから、ちょっと待ってろ!」あいつはいつもいつもからかいやがって。俺の気持ちも知らないで。




そして、急いで準備していく。なにしろ今日は意能力に目覚める日。生意祭。実際は、もう目覚めてるらしいけど神父さんに魂の名を見る儀式をしてしもらい、自分の意能力の名を知らねば使えないのだ。8歳の誕生日を迎えた者が12月に、教会に集まり名を教えて貰う。これが生意祭なのだ。すげぇー意能力目覚めて、ヨルにぎゃふんと言わして、とぉちゃんみたいなかっこいい男になるんだ。そう心に刻み準備する。




「ヨル待たせたな!」「うん行こう!」「あぁ行こう!」ときめく心と共に扉を開けていく。


「「気おつけて行ってらしゃい」」二人の声が聞こえる。「「行ってきます!」」そう大きな声で返した。






「あなた、あの子がもう生意祭よ。ちょっと感動だね」「そうだなカミナ。本当にホムラはいい子に育った。君のおかげだ。」「ふふ、そんな事はないわ。あの子だからいい子に育ったのよ。」「そうだな」そこには優しく微笑む両親がいた。


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