本編
ナイフでグサっと。
玄関の扉を開ける。
居間に入ると叔母がソファの上で寝そべってテレビを見ていた。
叔母は三月を一瞥すると「チッ」と舌打ちをしてまたテレビに視線を向ける。
そんな叔母の反応を他所にどこかふらついたような足取りでキッチンへと向かう。
向かった先で手に取ったのは刃渡15cmほどの大きめなペティナイフ。
その足でソファの上の叔母の元までゆっくりと歩く。
「ねぇ、叔母さん。僕が生まれてきた意味ってなんだと思う?」
「はぁ?なんでそんなこと聞くのさ、生きてる価値のないゴミのくせに生意気だねぇ、まだあの人に『教育』してもらいたいのかい?」
叔母は三月に目を向けることなく気怠げに答える。
「そう……」
三月はそれだけいうとナイフを高くまで振り上げ、振り下ろす。
柔らかい肉を立つ感覚がダイレクトに伝わってくる。
言い知れぬ高揚感が、快楽が三月を支配する。
何度も何度もナイフを振り下ろす、頭、首、胴、手、足の順で刺してゆく。
叔母は初めこそ抵抗しようとしていたが途中で動かなくなりただの死体と化していた。
目が潰れ、耳が削がれ頭骨を砕かれた顔は原型を留めず、指は主人の元を離れて散乱する。
腹を引っ掻くように何度も刺す、細切れになった内臓が飛び出してくる。
(めんどくさいな……)
そう考えた三月は叔母の腹の中に手を入れ内臓を引き摺り出す。
肉を引きちぎる気持ちの悪い音さえも快感として三月を支配していた。
その後も叔母を刺し続け文字通り肉塊になるまで死体を弄ぶ。
つけっぱなしになっていたテレビの番組が切り替わり、放送局特有の天気を伝える謎生物が話し始めたことで三月は我に帰る。
冷静になった三月はキッチンへと向かうと柳刃包丁を手にとる。
冷静に、寸分違わずに叔母を切断しようとしたところで家の玄関が開く。
音から察するに叔父が帰ってきたようだ。
手を止めて後ろを振り返る、何も知らない叔父が今の扉を開け、その顔は一瞬で恐怖の色に染まる。
三月は血の海からゆっくりと立ち上がり叔父を見つめながら数歩近づき包丁を振り上げる。
「まだまだ楽しめそうだな」と、呟く三月は狂ったように笑っていた。
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