第18話 家族の影響
過去の記憶や自己否定との戦いの中で、家族の存在が私に与えた影響は大きなものでした。家族の中にいると、いつも自分の本当の気持ちを隠し、表面だけの自分を見せているように感じていました。家族は私にとって大切な存在ですが、同時に心の深い部分を話すことが難しい存在でもありました。どれだけ辛くても、悩みや苦しみを家族に話せないまま、自分の中に抱え込むことが常になっていました。
私が感じていた孤独や無力感は、家族に理解されていないという感覚が原因の一つでもありました。家族の期待や価値観に応えようとするあまり、私自身の考えや感情が後回しにされることが多く、自分の気持ちを表に出すことに罪悪感さえ覚えるようになっていました。家族が無意識に投げかける言葉の中に、自分を否定されたように感じる瞬間が何度もあり、心が傷つくことも少なくありませんでした。
家族との関係の中で、私が「NO」と言えない性格を形成した部分もあると思います。家族の期待に応えることで自分の存在意義を見出そうとしていたため、家族の望むように振る舞うことが私にとって当たり前になっていました。自分の本心や苦しみを話すと「弱い人間」と見られるのではないかという恐れもあり、家族には弱さを見せられないというプレッシャーが常に心にありました。
しかし、過去と向き合い、自分自身を少しずつ取り戻す中で、家族との距離感についても考え直すようになりました。家族の期待や価値観に自分を押し込めるのではなく、自分の意思や感情を大切にすることが、私自身を守るために必要なのだと気づき始めたのです。家族の愛情や期待はありがたいものであり、それに応えたい気持ちもありましたが、それが自分を縛るものではないことを理解することで、少しずつ心が軽くなるのを感じました。
家族との関係は複雑であり、すぐに変えることはできませんが、自分の感情や意見を少しずつ表に出す努力を始めました。初めは小さなことから始め、家族に「自分が本当に感じていること」を少しずつ伝えるようにしました。家族の反応がどうであれ、自分の気持ちを伝えることが、自己否定から脱するための第一歩だと考えたのです。
家族が私に与えた影響は、時には重く感じられることもありましたが、それもまた私の人生の一部です。家族との関係を見直し、自分の気持ちを大切にすることで、私は少しずつ「家族に理解される自分」ではなく、「自分が本当に求める生き方」に近づいていけるのではないかと感じるようになりました。この家族との折り合いをつけることもまた、私が自分らしく生きるために必要な課題の一つだと今は思っています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます