第12話 絶望の中での日々

夢と希望が崩れ去り、自己否定が深まる中、私は生きる気力をほとんど失っていました。自分にはどこにも居場所がない、誰にも必要とされないという感覚が、まるで暗い影のように私を包み込み、日常生活さえも重く感じられるようになっていました。起きている間も心は沈み続け、夜になるとさらに孤独が増し、眠れない夜が続きました。


毎朝目を覚ますたびに、「今日もまた何も変わらない」と思うと心が重くなり、ただ1日が過ぎるのを待つような日々が続きました。かつては夢や目標を持って未来を信じていた自分が、今では抜け殻のようにただ生き延びているだけでした。友人や家族に助けを求めたかったけれど、「こんな自分が誰かの負担になるだけ」という思いが頭をよぎり、結局一人で悩みを抱え込むしかありませんでした。


この時期の私にとって、絶望感は日々の風景の一部のように感じられました。窓の外に広がる空の青さや、他人が楽しそうに過ごしている姿を目にするたびに、「自分はその中に入れない」という疎外感が増し、自分が別の世界に取り残されたような孤独を感じました。周りが輝いて見える分だけ、自分がどれだけ暗く、無価値な存在かが強調されるように感じられたのです。


また、絶望の中で生活することが「日常」となってしまったため、自分を立て直そうとする気力すらもなくなっていきました。何をしても楽しいと感じられず、何をしても空虚なまま。心が何も感じなくなっていくのが怖くて、「こんな状態がずっと続くのだろうか」と思うたびに胸が締めつけられるような気持ちになりました。


絶望の中で生きることは、他人から見れば些細なことかもしれませんが、私にとっては毎日が戦いでした。この時期は「自分はもう二度と前に進めないのではないか」という思いに支配され、日々の小さなことにすら意味を見出せない状況でした。それでも、どこかで「この状態から抜け出したい」という思いが心の奥底に残っていましたが、それを引き出す力も残っていませんでした。


この絶望の日々が、私の心に重くのしかかり続けたことは、今も鮮明に覚えています。どれだけ時間が経っても、あの時感じた孤独と絶望は消えない傷となり、私の人生の一部として残り続けています。絶望の中にいることで、私は自分の限界を知り、またその限界の中で少しずつ生き延びていく方法を模索していくことになるのです。

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