第5話 専門学校での孤立
高校を卒業し、専門学校へと進学することに決めた私は、再び新しい環境でやり直せるのではないかという小さな希望を抱いていました。専門的な知識や技術を学び、それによって自分に自信が持てるようになるかもしれない。将来のためにスキルを身につけ、社会に踏み出す準備を整えられるかもしれない。そんな期待を胸に、新しい道を歩み始めました。
しかし、現実は予想以上に厳しく、私の希望は次第にかき消されていきました。クラスメイトたちと自然に打ち解けられれば良かったのですが、私の中には小学校から続く「変わり者」としての自己イメージが強く根付いており、周りと馴染むことができませんでした。人と話すたびに、自分が浮いていると感じたり、どこか違和感を持たれているように感じたりして、心がますます閉ざされていったのです。
さらに、専門学校では、グループ活動や共同作業も多く、そのたびに私は孤立を感じました。自分が役に立たないのではないか、他人の足を引っ張るのではないかという不安に苛まれ、無理にでも合わせようとしましたが、気持ちはますます消耗していきました。自分の考えや感性が他の人と少しでも異なると、それが自分の欠点のように思えてしまい、何も言えなくなってしまうのです。
「変わり者」としてのレッテルが再び私の中で重くのしかかり、結局、私はまた孤独な場所に戻ってしまいました。授業は興味深いものでしたが、心の中で感じる疎外感が次第にそれを上回り、学びたいという意欲も次第に薄れていきました。せっかくの専門学校での時間がただ流れていき、少しずつ自信を削り取られていくようでした。
専門学校での経験は、私にとって新しい希望を見出す場にはならず、むしろ孤立感と無力感を深める結果となってしまいました。この時期を通じて、私はますます「自分は他人と違う」「このままでは社会に出てもやっていけないのではないか」という不安と絶望感に支配されるようになりました。それでも、私はただ黙ってその日々をやり過ごし、心の中に小さな傷がまたひとつ増えたことに気づかないふりをしていました。
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