第4話 高校の孤独な日々
高校は新たなスタートの場と思いたかったものの、結局、私の「変わり者」という印象は簡単に消えることはありませんでした。定時制高校に進学し、生活リズムはこれまでとは少し変わりましたが、私の中に根付いた「自分は周りと違う」という意識はそのままでした。周りの生徒たちはそれぞれ違った事情を抱えているようで、いろいろな背景を持つ人たちが集まっていましたが、それでも私はどこか孤独を感じ続けていました。
定時制高校では、何よりも「皆勤」を目標に掲げていました。これまでの学校生活の中での劣等感や孤独を少しでも打ち消すために、自分なりにできることとして、毎日学校に通い続けることに意味を見出そうとしたのです。成績も悪くなく、しっかりと出席し続けたことで少しは認められるかもしれないと思っていました。しかし、その努力が報われたと感じることはなく、達成感も喜びも湧いてきませんでした。
何も達成した気分になれないまま、ただ時間が過ぎていきました。周りに流されるように学校生活を送っていると感じ、日々の中で何かを掴むことも、心に残る瞬間も見つけられないまま、ただ流されているような感覚に苛まれていました。何かしらの達成感を得ようと努力しても、周りからの無理解や疎外感は変わらず、自分がいる場所に馴染めない孤独が続きました。
さらに、嫌なことを強要される場面も少なくありませんでした。それに対して「NO」と言えない自分に、ますます苛立ちと後悔が募っていきました。自分の意思を表明することができない無力感が、心に重くのしかかり、何度も「こんな自分で本当にいいのか」と自問するようになりました。結局、高校時代も私の中には満たされない空虚感が残り、周りに馴染めない孤独な日々が続いたのです。
この高校生活を振り返ると、結局私は何を得たのかと考えずにはいられません。努力しても、何も成し遂げたという感覚はなく、ただ淡々と時間が流れただけのように思えてしまうのです。そして、こうした日々が、私にとってさらに自分の殻を厚くし、周囲との距離を一層深める原因になったのかもしれません。
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