第6話 模擬戦
模擬戦のために、案内されたのはこの小さな村の中央にある広場だった。その石段が積まれ、周りよりも一段ほど高くなっているそこは半径30mくらいの円だった。
ルーナは準備のため、パぺルさんよりも遅く、ネイアたちの家から出発した。
まあ、 ルーナが付けた装備はほとんどなく、ほぼこの世界専用の普段着だ。(と言っても、この世界ではなかなかいいものとされる上級の服だが。)身につけている装備としてはこちらの動きを捉えにくくするためのダボッとしたローブとこれも服と同じく上級の剣だけだった。
ルーナとしてはリアルの私の技術を活かすとするならば、鎧などは邪魔になるだけというのが、正直な感想だ。
そして、今にいたる。────至るのだが、広場にはたくさんの人が集まっていた。おそらく、この村は活気が少ないわけではない、いや他の地域と比べるとこの世界でも活気が多い部類に入るのだろう。しかし、この村は娯楽が少ないため、面白いことが起こるとなると、観戦客も増えるということだろう。
四方八方から、さまざまな声がかかる。
「やっちまえ!」
「お嬢ちゃんもがんばれよ」
「キャー、パぺルさん~!!」
「なあ、あの子、何気に可愛くないか?」
「ああ、そうだな。前髪が少し長くて見えずらいけれど、結構、美人なんじゃないか?」
一部、何か言っている人もいるが、まあそんな人は放っておくに限る。
そして、ごちゃごちゃとした空気の中、ネイアの声が響く。
「では、始め!」
その瞬間、さっきまでの雰囲気はどこに行ったのかというくらいの静寂と緊張感が訪れた。その広場にいた人々は2人の雰囲気に呑まれた。完全にもうその場は2人に制されていた。
開始の合図があってから少しの間、2人の膠着状態が続いたが、先に動いたのはパぺルだった。パぺルは素早く腰の短剣を抜き、ルーナの首を狙う。
しかし、ルーナはパぺルよりも後に動きだしたにも関わらず、剣で無駄なく、見事な動きで受け止め、流す。もちろん、体格差を埋めるため、魔法で筋肉や骨を増強させている。
だが、傍から見れば、パぺルの攻撃をものともせず、受けきり、流しているとように見える。まあ、あながち間違いと言い切れないのだけれど、それを見た観客はどう思うだろうか。
当然、彼らの中では最強だと思っていた人を超える若手が現れたと湧き上がる。
その、まず一つ目の応酬で湧き上がった人々はその後はもうはっちゃけていて、さっきまでのにぎやかさが戻って来た。
その後、2激目、3激目、……と応酬が10回くらい続くが、3回くらいの応酬からはルーナは全て避けていた。ルーナはパぺルの攻撃を2回だけで見切ってしまったのだ。
そのルーナの動きはまるで、まい内されたのはこの小さな村の中央にある広場だった。その石段が積まれ、周りよりも一段ほど高くなっているそこは半径30mくらいの円だった。
ルーナは準備のため、パぺルさんよりも遅く、ネイアたちの家から出発した。
まあ、 ルーナが付けた装備はほとんどなく、ほぼこの世界専用の普段着だ。(と言っても、この世界ではなかなかいいものとされる上級の服だが。)身につけている装備としてはこちらの動きを捉えにくくするためのダボッとしたローブとこれも服と同じく上級の剣だけだった。
ルーナとしてはリアルの私の技術を活かすとするならば、鎧などは邪魔になるだけというのが、正直な感想だ。
そして、今にいたる。────至るのだが、広場にはたくさんの人が集まっていた。おそらく、この村は活気が少ないわけではない、いや他の地域と比べるとこの世界でも活気が多い部類に入るのだろう。しかし、この村は娯楽が少ないため、面白いことが起こるとなると、観戦客も増えるということだろう。
四方八方から、さまざまな声がかかる。
「やっちまえ!」
「お嬢ちゃんもがんばれよ」
「キャー、パぺルさん~!!」
「なあ、あの子、何気に可愛くないか?」
「ああ、そうだな。前髪が少し長くて見えずらいけれど、結構、美人なんじゃないか?」
一部、何か言っている人もいるが、まあそんな人は放っておくに限る。
そして、ごちゃごちゃとした空気の中、ネイアの声が響く。
「では、始め!」
その瞬間、さっきまでの雰囲気はどこに行ったのかというくらいの静寂と緊張感が訪れた。その広場にいた人々は2人の雰囲気に呑まれた。完全にもうその場は2人に制されていた。
開始の合図があってから少しの間、2人の膠着状態が続いたが、先に動いたのはパぺルだった。パぺルは素早く腰の短剣を抜き、ルーナの首を狙う。
しかし、ルーナはパぺルよりも後に動きだしたにも関わらず、剣で無駄なく、見事な動きで受け止め、流す。もちろん、体格差を埋めるため、魔法で筋肉や骨を増強させている。
だが、傍から見れば、パぺルの攻撃をものともせず、受けきり、流しているとように見える。まあ、あながち間違いと言い切れないのだけれど、それを見た観客はどう思うだろうか。
当然、彼らの中では最強だと思っていた人を超える若手が現れたと湧き上がる。
その、まず一つ目の応酬で湧き上がった人々はその後はもうはっちゃけていて、さっきまでのにぎやかさが戻って来た。
その後、2激目、3激目、……と応酬が10回くらい続くが、3回くらいの応酬からはルーナは全て避けていた。ルーナはパぺルの攻撃を2回だけで見切ってしまったのだ。
そのルーナの動きはまるで、舞を舞うかのような鮮やかさだった。ステップは軽く、身動きは俊敏、しかし、その能力を必要最低限の動きだけに使い、研ぎ澄まされたような身のこなしで広場を舞う。
観客から感嘆の声がもれる。
そして、11激目にその瞬間が来た。
ルーナの態勢が反撃に移ったことを悟ったパぺルは自分の切り札の一つを切ることにした。
このままでは負けてしまうのだ。────ああ、ネイア、父さんをそんな目で見ないでくれ。父さんを放って行かないでくれー。
はっ。まずい、これこそがこの子の狙いなら───この子、賢い!
当然、さすがのルーナも、初対面の数十分一緒にいて、ちょっと話しただけの人の一番見えにくい部分が分かるはずがなく、普通に相手の出方を伺っているだけだった。
ルーナは何となく違和感を覚え、11激目に予定していた動きの一部を変え、飛び上がって上から剣を振り下ろす。しかし、寸止めされた剣のしたにはパぺルの姿はなかった。その代わり、ルーナが向いている向きと反対方向に向いたパぺルがルーナの後ろにいた。
それは2人がここで決着をつけると決めた結果だった────いや、パぺルはそうだったが、ルーナはこれさえも、読み切っていたため、最初からここで決着を付けようとは思っていなかった。
本命は次の瞬間こそだと読んでいた。もっと言うと、ルーナがそういうふうに仕組んだのだ。
次の瞬間、ルーナが振り向き、それと同時に剣をパぺルの首に向けて振りぬく。パぺルも、ルーナに少し遅れたものの、反応し、急いで無理やりの態勢から地面を蹴り、短剣をルーナめがけて振りかぶる。
結果、両者が寸止めをした瞬間は同時だった。実践だと、どちらも同じくらいの致命傷っぽいため、引き分けたのだった。
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今回は初めての戦闘シーンですね。文才がなさすぎて、つまらないですね。すみません。あ~、文才が欲しいです。
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