『一目惚れ』

『一目惚れ』

自分の横を通り過ぎた女性に声をかけようと振り返る

奇遇にも彼女も同時にこちらに振り返っていた

｢｢すいません、少しいいですか？｣｣

同時に声が出た

彼女がどうぞ、というように手を向ける

｢いきなりで申し訳ないのですが貴女に一目惚れしてしまいました｣

彼女は驚きつつも返してくれる

｢奇遇ですね、私も貴方に一目惚れしました｣

私たちの間を不思議な静寂が流れる

｢｢突然で…｣｣

またも声が重なった、恐らく彼女も同じことを考えているだろう

｢｢私たち、結婚しませんか？｣｣

ここまで考えることが一緒ではもはや笑ってしまう

｢では届けを取りに行きましょうか｣

｢そうですね、では役所に行きましょう｣

｢そしてお前が生まれたって訳だ｣

｢嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！！｣

｢それとお前の妊娠が分かったのは父さんと出会ってから3ヶ月後だったな｣

｢嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！！｣