第30話 決めた!!



俺が悩んで悩みぬいた、キャラクリの最終構成・・・それが、コレだ・・・!!!




★ゴレムス(120)

▼初級喧嘩術の心得(140)

●〈記憶力向上〉の習得(40)

●〈筋力増強〉の習得(50)

★〈薬草学の知識〉の習得(50)



計、ちょうど400SPだ・・・

SPの「余り」で発生する金銭はこの際、度外視してやった。目先の金よりも己の肉体の頑強さ、そして知識にガン振りした構成である。



また、この構成で副次的に得られるスキル等は以下となる。



★ゴレムス   ・・・→〈人語〉、石の神の恩寵(小)を含む

▼初級喧嘩術  ・・・→◆土石術師の資質を含む

◆土石術師の資質・・・→大地の神の恩寵(小)を含む

●〈記憶力向上〉・・・→語学系スキル、知識系スキルを記憶中



さらに、頂いたばかりの悪神の恩寵(中)がこれに加わる・・・




見た目は人型、人語を主言語とし残る五大言語もそこそこに話せる言語能力。

コミュニケーション能力はかなり高いだろう。


驚異的な記憶力を持つ、薬草学に精通した専門家スペシャリスト

薬師くすしとしての商売の適正や、薬学系の依頼の達成能力も有している。


増強された筋力に、ゴレムスの石のような肌。喧嘩術の心得。

近接戦闘に対する能力は申し分ない。


大地の神と石の神の恩寵を得た、土石術師。

術師としても十分な適正を持ち、遠距離戦闘にも可能性が見だせる。


悪神の恩寵による、犯罪の適正。

黒い仕事に対するポテンシャルまで併せ持つ、その多彩さ。




カンペキだ・・・

もう、なんっも言う事無い・・・


俺は、コレで行く。俺の第二の人生、いやゴレムス生はこれで行く・・・!!



うおおおおお!!!決めた・・・!!!ついに決めてやったぜ・・・!!

苦節くせつ、何時間になるんだ?どれだけ掛かったんだ?どんだけしゃぶったんだよ俺はよお?


クゥ~~~~~~・・・、実に感慨深い・・・








「・・・と、いったカンジです。悪神様、いかがでしょう!」







「じ、地味かも・・・」



「ッオイ!!!!なんてコト言うんですか!!!!!!!」


「良いでしょうが!バランス!!生きるために派手さなんぞいらんのですよ!!」





「オウ、オウ・・・分かった。分かったから離れろ。ツバが飛んでんだよバカ・・・」


「いやまあ、実際悪くはねーよ。やりてーことが伝わってくるっつうのか」


「便利屋向きでもあるしな、地味だが・・・オールマイティに色々対応できそうな・・・そんな下地したじが出来上がってるとは思うわな」



「何より、やっぱ記憶力を使ったズリイ作戦が効いてるな・・・神からの依頼を遂行する上で、多くの種族と絡む可能性がある分・・・語学力は必須級のスキルだあ・・・」


「そんで戦闘力もある・・・オレ様の恩寵もあるからまあ・・・合格ではあるな」



「あっす!認めてもらえて嬉しいっす!」





「オウ。そんじゃあ、準備はいいか?今から起きてる神を片っ端からこの部屋に連れてくる」


「オメーは特にセールストークを頑張る必要はねえ・・・そこはまあ、オレ様の役割だからよお・・・」


「とにかくオメーはその神を知り、好きになることだけに集中しろ!実際に神と面会して、好意を持てたなら・・・それだけで信者になり得るからよお」


「今はパイプ作りの段階だあ・・・焦らず行け・・・な?」


「うっす。よろしくお願いしまっす」






「あ、そうだ悪神様・・・最初に話したい神様がいるんですけどいいですか?」



「オウ、アレか。もう顔見知りの神だろ?」


「もう顏見せしてある神なら必要ねえんだが・・・まあ調度いい。オレ様のほうであらかた商売の説明をして回るからよお、その間オメーが知ってる顏にはオメーが説明しとけや」





「あっす!それでは・・・」


「獣神様と、石神様をお願いできますか?」


「オウ。あ~・・・、なんか指名みて~な・・・娼婦の店みてえになってねえか・・・?」


「なってねっす!!大丈夫っす!!」




「お、オウ・・・そんじゃ待っとけや・・・」





やったぜ。またターシャ様とウォリック様に会えるゾイ。

ぶっちゃけ悪神様の言う通り、既にもう信者になっちまってるハズだから・・・あんま顔見せする必要は無いんだろうが・・・



せっかく頑張ってキャラクリを終わらせたんだ!ちょっとくらいご褒美タイムがあったって・・・いいよな!ドゥフ!






・・・







「なんじゃなんじゃ!!オマエ一体なんなんじゃ!!?」



「おお!ラスターシャ様!やはりお麗しい!!」



「キメ~んじゃ!だから!!」



「ターシャ・・・あんまり悪いこと言っちゃ、可哀想・・・だよ」


「うるっせ~んじゃ!イワコロめい!!」


「ひ、ひどい・・・よ・・・泣」




なるほど、おふた方が集まるとこういうカンジになるんだな・・・笑





「・・・ガチでビビったのじゃ・・・悪神様から話しかけられるとか、何百年ぶりなのじゃ・・・」


「オマエ、なんで転生も終わってないのに悪神様と仲良しなんじゃ・・・ナゾじゃ・・・」


「す、すごいよ、ね・・・僕なんか、初めて喋った、よ・・・」








「あ~、なんか悪神様って・・・神様の中でもその、偉いんすか?」



「・・・あののぉ~、オマエは知らんかもしれんが、神の中にも序列ってもんがあるんじゃ・・・」



「あ、悪神様はお生まれもかなり早い、し・・・」


「昔、色んな神を巻き込んで、その・・・すごい戦いを・・・起こした方なんだ、よ」



ほほう・・・流石だぜ、悪神様。ドヤンキーだったんだな、昔っから・・・

なんか学校のヤバい先輩みたいな扱い受けてんのウケる笑



「なるほど、やっぱ凄いお方なんすね。そんな方と商売ができるとは・・・」



「え・・・商売、って、どういうこと・・・?」

「なんじゃなんじゃ!説明せい!!」


「実はですね・・・」






俺は竜神が行った悪行の全てを伝え・・・そしてそれを断罪するべく、神々のチップを貯めて神議会を開くべく動いている旨を伝えた。


2柱の神は・・・事の重要性をすぐに感じ取り、真剣に話を聞いてくれた。




「そして、転生者の便利屋として・・・悪神様とチップを稼ぐために商売を行うってな寸法なんです」










「・・・僕、そんなの・・・知らなかった、よ・・・」



「ゴメン・・・ゴメン、ね・・・人間の、みんな・・・」



涙。ウォリック様が、涙していらっしゃる・・・



ズルいぜ、そんなの見たら・・・俺まで泣けてくる・・・

ありがとう、ウォリック様。人間のために、涙してくれる神もいるのだ・・・





「・・・もちろん人間の魂は不憫ふびんじゃったな・・・。しかし、オマエの星の神とのいくさに発展するかもしれんという話・・・そっちの方が遥かにマズいのう・・・」



「神々の戦争が起こるということは、比べ物にならん数の生き物が巻き込まれて死ぬ可能性が高いのじゃ・・・わしの眷属たちにも、漏れなく危険が降りかかるだろうのお・・・はぁ・・・」






パン!あぐらをかいて座っていたターシャ様が、自分の膝を打ったと思ったら・・・勢いよく立ち上がった。




「よし、わしのチップを持ってきてやる!これは、募金じゃ!」



「え、いいんですか!?商売じゃなく、募金でいいんですかい?」



「そんな流暢な事言わんでもよい、わしにも手伝わせるんじゃ!」


「むしろすべての神がとやかく言わず募金するべきなんじゃ、こんなもの・・・オイ、ウォリック!オマエもするんじゃろ?も~そろそろ泣き止めい!!」



「ひっく・・・ズズ・・・うん!もちろん、だよ!!」





「う、うおお・・・がみ、ざばあ・・・」



泣いてしまった。感極まって。

悪神様は、募金に乗っかってくれる神なんてそういないと言っていたが・・・ここに2柱もいらっしゃる。神には慈悲がある・・・冷静な判断力も。



「ありがどう・・・ございばすっ・・・!!」






「フン、だから当然だと言ってるのじゃ。オマエ・・・泣き顔がめちゃキモいのう」


「ぼ、僕も、当然だと思ってる、よ・・・!頑張って、ね・・・!!」




「はい・・・!あっ、そういえば・・・」





「もしお二方に困ったことがあった時、俺が便利屋として地上でできることがあるのなら・・・遠慮なくおっしゃってくださいね!あと、俺のステータスなんですけど・・・」




俺は決めたばかりのキャラクリの結果を2柱の神に伝えた。

種族はゴレムスに決めたと聞いた途端、ウォリック様の顔がキラキラ輝きだした・・・かわいいお方だぜ・・・笑






「・・・こんなカンジなんで、俺にできそうなことがあれば・・・っていう!!」



「わ、わあ・・・!僕の恩寵、持ってくれる、予定なんだね・・・!」


「すっごく、嬉しいよお・・・僕、もっと強い恩寵をあげたいな・・・でも・・・」



「やめい。個人に恩寵を渡すのにもチップがいるのじゃぞ。目標達成のために募金じゃ、ここはの!」



「ええっ!そうなんすか?俺、悪神様から恩寵貰っちゃいましたよ・・・中くらいの・・・」







「な~~~~んじゃと!!??」



「あの方の恩寵はなんぞ条件があるらしく、小でも貰えることが珍しいと聞く・・・それの中って言えばオマエ、なかなかレアじゃぞ・・・?」





シュン・・・

あ、これ。悪神様の気配だ。






「そ~~~~~~~だぞ、ドサンピンがあ。オレ様の恩寵を貰えたってのに、このガキあんま嬉しそうじゃなかったんだぜえ・・・?考えらんねえよなあ?」




「おひっ!!!あ、悪神どの・・・そ、そうでございますですのじゃね~~~!!」



「オイ・・・あんまキンチョーすんじゃね~よ。別に取って食ったりしねえんだから」






あ、あのラスターシャ様がド緊張してやがる・・・これは・・・かわいいな笑






「貴様・・・後で覚えとくんじゃぞ、人間めえ・・・」



やべ、心読めるんだったわ神様は。

話変えるべ笑



「悪神様、実はおふた方が募金をと・・・」



「ハァ!?オメ~らいいのかよお!!普段あんま絡みねえけど、イイガキじゃねえか!!オイオ~~~~イ!!笑」



「エヘ、エヘヘなのじゃ・・・」


「あの、ありがどうございま、す・・・!」



かわいい。どっちも照れてるわ笑

そんで、獣神様がこっち睨んでるわ。おーこわ笑



「は~~~~、やるじゃねえかニンゲン。コイツらはもうバッチリだなあオイ」



「そんじゃ、オマエラはもう行っていいぞ。お疲れ!!」



は、はい!!と言い残して2柱の神は行ってしまわれた。

やっぱ好きだぜ。あのコンビ・・・今回の会話で、より好きになったわ。


なれ、と言われて信者になるんじゃない。自然に推してしまう・・・そんな神様だ。








「幸先がいいじゃねえの、ニンゲン!!じゃあどんどん行くか?なあ?」



「うっす!!行けまっす!!」



こうして、クライアントとの顔合わせは始まったのだった・・・



マジで幸先は良いぜ!このまま皆が募金してくれたらいいのに!笑












 

 


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