第7話 ダンジョン

 俺は魔石(極小)をストレージから取り出すと、ガチャガチャに魔石(極小)をガチャガチャの上部から魔石(極小)を流し入れ、回した。


 ガチャガチャ…ガチャガチャガチャ


 先程の十連ガチャ同様に、赤色、緑色そして黒色のカプセルが出現した。残念ながら紫色のカプセルは出現しなかった。


「うんうん、いい調子だね。っていうか、黒色のカプセルはかなりレアなはずなんだけどなぁ」

 ゲームマスターの言葉を無視して俺はカプセルを開封し始めた。


 赤色のカプセルは七つあり、鉄剣が四つ、刀が二つ、もう一つは大鎌だった。


 次に開封したのは緑色のカプセル、


【ランク:Eの俊敏増加の指輪と、同じくランク:Eの筋力増加の指輪です】

 楓の鑑定結果を聞き、その指輪を指に装着した。


 余った黒色の禍々しいカプセルだが、これも予想通り『大罪之因子2/7』と記されていた。


 ステータスにも、同じように記されていたのだが十連ガチャで毎回手に入るようでは、さすがに魔王討伐までの道のりが早く感じる。早く討伐したい俺にとっては好都合ではあるがな。



「うーん、今日は何すればいいんだ?」


「それなら、ダンジョンが出来てるから行ってみたらどうだい?ツノウサギの森って名前の公園あっただろ?あそこもツノウサギ平原って名前のダンジョンができたから行ってみるといいよ」


 ★★★


 って訳でやって来ました。


「うーむ、変わってるところは……アレだな、アレだろうな」


【えぇ、アレですね】


 俺の目線の先には扉があった、その扉にはツノウサギの絵が書いており、扉を開けるとそこには平原が広がっていた。


「ぷぅっ!」


 扉の向こうへ入り込むと少し離れた場所から、何かの鳴き声が聞こえてきた。俺はその声の元へ武器を構えて近づくと、


「ツノウサギか?いや、鳴き声なんて今まで…」

【新しくダンジョンの他に追加されたものが多数あるようです。ゲームマスターによると全てを話してネタバレをすると面白くない、との事でこちらに情報は渡さないようです】


 なるほど、俺を楽しませようと…いや、楽しめねぇよ。出来るだけ早く魔王討伐したいってのに、まだゴブリンすら討伐できてないんだぞ?、早くこのダンジョン攻略してから、ゴブリン討伐に行きたいから情報はかなり欲しいけどな?


 俺は目の前にいるツノウサギの突進を横に躱し、横から剣で首を切り落とした。


「首が切れた、だと?これがレベルによる恩恵なのか、凄いな」


 以前の討伐までは首を切り落とすような切断行為はできなかったが、今回はそれが出来た。そして、死したツノウサギは泡となり消え、魔石を落とした。他にも、肉や角がドロップしており、ダンジョンが現れる前とは仕様が変わっていた。


【ツノウサギのダンジョンのマップを登録できました、地図マップを開きますか?】


「頼むんだよ、楓ちゃん」


 俺が楓ちゃんに合図を送ると、目の前に赤い斑点が幾つか浮かび上がる地図が現れた。その地図に浮かぶ赤い斑点がツノウサギのいる場所だそうだ。俺のいる場所は青丸で記されている。


「これが地図マップかぁ、凄いな。俺のいる場所が平原とわかるように背景が緑、扉のあるところには扉のマーク……便利だなぁ」


 俺は地図マップを確認し、赤丸のある場所へと歩いて向かった。距離もそう遠くなく、数分歩くとツノウサギが三匹いることが目視で確認できた。


 俺は素早く駆け寄りその首、三つを刈り取った。その後も簡単に狩ることが出来た俺は楽しくなり、次々に首を刈り取って行った。


 ☆☆☆


 一休みつこうと、扉付近へと戻りステータスとストレージを確認した。



【ステータス】

 レベル『42』


 名前

『伊藤龍司』


 ユニークスキル

『大罪之因子2/7』


 スキル

『ワールドメニューβ版(楓)』

『ストレージβ版』

『ガチャβ版』

『住居β版』

『睡眠β版』


 称号

『βテスター』



【ストレージ】

 アヒル隊長×1

 魔石極小×56

 ツノウサギの肉×36

 ツノウサギの角×36

 鉄剣×6

 大鎌×1

 刀×2

 弓×1



「気になるところ満載だけど、こんなに低レベルのツノウサギ狩るだけでもうレベルが42っておかしくないか?バグか?」


 明らかに、低レベルの魔物であるツノウサギだけしか討伐していないというのに、レベルの上がり方はほとんど変わらずすぐに上がっていく。


「バグじゃないよ、それと君ならもうゴブリンくらい余裕で討伐できるんだから早くそっちに行きなよ」


【えぇ、確かに今のマスターであればゴブリン程度は問題ないですね。準備を整えて次のダンジョンをめざしましょう】


 俺はそういう二人の言葉の通り、一度準備をするためダンジョンを後にする事にした。俺はツノウサギの絵が描かれている扉を再び潜り抜けダンジョンから抜け出すと、空は暗く星が綺麗に映し出されていた。


 ダンジョンに潜ったのは昼前だったから、かなりお腹がすいている。一度アパートに帰って食事に……いや、住居で暮らせばいいのでは?


 と、言うわけで俺はアパートへと帰らず住居の中に戻ることにした。


「あ、称号も鑑定してみて楓ちゃん」


【βテスター……この称号を持つ者には、あらゆる可能性が秘められている。誰よりも早くに強くなれるだろう。との事です】


 この、説明を聞く限りレベルが早く上がるのはこの称号によるものだと推測出来た。答えをゲームマスターに聞くのもいいが何も言ってこないようであれば間違いでは無いはずだ。


 住居に帰った俺は鑑定をした後、風呂に入った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る