第6話

それから数日が立ち、いよいよ宿泊研修の日となった俺たちはバスに乗っていた


バス内は生徒も教師も一緒になって騒いでいる



それに対し俺は寝ようと目をつぶっていた

ちなみに唯月はすでに俺の隣で眠っている。

せっかく窓際の席を譲ったのに損した気分だ.....


そんなことを考えていると


ドンッ!


いきなり俺の席から衝撃が来た


「なあ~紗季~しりとりしようぜ~?」

そう千夜は絡んでくる


「めんどい。無理」


そう言うと千夜は俺の席を揺らし始める


「お願いだよ~紗季~美空は寝てるから起こすと切れられるし遊び相手が紗季しかいないんだよ~」


俺は千夜に対して言葉を返さず寝ようと目を閉じ続ける

しかしそれをいいことに千夜は行動をエスカレートさせていく


髪の毛を触ってきたり首筋を触ったり、あげくには頬まで触ってくる千夜に俺はとうとう堪忍袋の緒が切れた


「ああもう!そんなに遊び相手が欲しいならやってやるよこの野郎!」

俺は席を立ち、千夜のもとに行き千夜の体を美空の体にぶつける


「ちょ、紗季、お前ッ!?」

千夜はすぐに美空から離れるが時すでに遅し、千夜の左肩にポンと美空の左腕が載せられていた



「あぁ...いやあその~これは俺じゃなくて紗季がぁッ!?」


「言い訳しなくていいわよ。どうせあんたが紗季にちょっかいかけたんでしょっ!」

そう言って美空は千夜に対してスリーパーホールドをかける


「ちょお!?美空!?それはルール違反じゃ!?」

そう言って助けを乞うかのような目線を向けてくる千夜を無視して俺は自分の席へと戻る



「すごく.....にぎやかですね」


席に座るとそう唯月に言われる


「ああ、起こしたのか。ごめんな」


そう言うといえ、大丈夫ですと言った後唯月は再度眠りに入るために目を閉じた


俺も後ろでまだ技をかけられている千夜をチラッと見た後、目を閉じ、眠りに入るのだった

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涙のあなたに一つの言葉を 極彩色 @ruisyousetu

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