第8話 還俗

 秋になって病は深まり、体調は恢復せず、寺を辞した。還俗する。

 失意のうち、北関東から北上する東北地方の錦繍を追い翔る旅をしていた。

 僕は秋の錦秋の色彩の響き合いと、乾いた風の少しの涼やかしさが帯びたもの悲しさにこそ日本の本質のようなものを感じる。あちらこちらで紅葉や黄葉を愛でた。

 いつしか眞神郡に着く。

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