第3話 ドボンマダム
さてお次は、『ドボンマダム』です。
まーたこのおばさんは、読者様を引き付けるために大袈裟なタイトルを付けやがったな。
そう思われたかもしれませんが、違います。
今回という今回はガチのマジでドボンしたマダムをご紹介いたします。
たぶんこれは毎日更新のエッセイの方に書いてなかったんじゃないかなぁって思います。いや、書いたかもしれませんけど、何せ2000話も書いてますと、何を書いたか、何を書いてないのかがおぼろげなんだ。許してください。
そのマダムは、トイレの芳香剤付近でうろうろしておりました。芳香剤といっても、置き型のものもありますし、スプレー式のものもあります。それから、タンクの上に設置して、便器を流す際の水に洗浄効果や除菌要素をプラスし、且つ、良い香りまで付加するものもあります。欲張りセットかよ。まぁ、こんな回りくどい表現をしましたけど、ズバリ商品名を書いてしまえばアレです。
『ブルーレットおくだけ』
これ、商品名ってズバリ書いちゃって良いのかしら。
駄目なら適当に〇で伏せたり、ルビで『ピー』とか入れます。そんな対応で良いのかな。
そう、それでですよ。
この『
そんな、トイレタンクの上部にまで手を抜かないご家庭に置かれがちなのが、『ブルーレットお〇だけ』なんじゃないかと思うのです。タンク上部の情報量が多い。
そして、この『ブルー〇ット』、タンクの上に置くものもあれば、タンクの中にドボンと入れるものもあります。おっ、やっと『ドボン』の要素が出て来たな、と思ったでしょう? ここに到達するまでが
そう、それで、マダムのお話です。
困り顔でその芳香剤コーナーをうろうろしていたマダムがですね、私に声をかけて来たわけです。以前、こちらで商品を買ったが、そのせいで便器が壊れた、と。
もしかして:クレーム
確か当時は勤めて三年かそこらでした。いまでこそ勤続八年の宇部さんですが、その当時はまだまだフレッシュ枠。ピッチピチの30代でした。30代でピチピチとかふざけんなって思われたかもですけど、私以外は勤続20年とかで、40~50代がほとんどです。そこへ彗星のごとく現れた三十路です。これがフレッシュでなくてなんだというのか。
とりあえず、店長を召喚しました。
クレームかと思ったので、すぐさま呼びました。なので、ここから先は応対を代わった店長からの話です。
「あのお客さん、置くタイプのブルー〇ットをドボンしてた」
置くタイプのブ〇ーレットをタンクにドボン?!
ドボンタイプのブルーレ〇トは、まぁ、イメージとしては固形石鹸です。イメージですからね、本物の石鹸ではありませんし、タンクの中に石鹸を入れてはいけません。ですが、置くだけの〇ルーレットはプラスチックのケースに入っています。それをタンクに?!
でも、それでトイレが壊れたりするかな?
中身だけが溶けて、プラスチックのケースが残るだけでは? それともドボンの衝撃でタンクの中の何かしらを破壊したか?
そう思っておりますと、店長は私の顔を見て察したのでしょう、いや、そうじゃなくて、と首を振ります。
「タンクじゃなくて、便器の中にドボンしてた」
タンクではなかったのです。
便器の中です。
そら壊れるて。
まだせめてドボンの方の商品をドボンしたならわかります。商品名も『ドボン』言ってるし。ですが、マダムがドボンしたのは置き型の方。色々めちゃくちゃです。
そんな人いるんだ?! って思ったでしょう?
そんな人が来店するのがウチの店です。
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