第11話 終わらない国家
ぼくの考え方ですけれど、今までの日本は、温泉気分のヘルスセンターに高齢者が集っていて、いわゆる、平和ボケで認知症みたいなもんだったと考えています。この「平和ボケ」という語句には、重大な意味はありませんので、悪しからず、雑談で現れる平たい言葉だと思ってもらいたいです。
ぼくのノンフィクション小説を読む方々に喋っても意味ないんですけれど、これからの日本は、戦闘モードのオンオフを身に付けるといいと思うのです。今回のアフターコロナ、ウクライナ戦争の経済制裁(SWIFT)といった有事を利用するのは、絶好のチャンスだとも思えるわけですね。
だからといって、物価高で温泉気分のサウナに緊張が走って、厭戦ムードの曇り空が続くのでは、人生は楽しくないでしょう?
それで、戦闘モードのオンオフを取り込んで、ヘルスセンターをスポーツジムの会員に登録するくらいの気持ちが求められます。これからの日本人には、インテリジェンスの休日にも競技性を上手にアプローチして、(日常生活の中であっても)危機に接していくことが、むしろ、安定感を保証してくれると思うんです。
いわゆる、安全と安心ですが、だからといって、即刻、安全保障の議論に入って、軍事力を強化し、再軍備の求めに応じていくというのでは、まったく話になりません。基本的に、専門家の陳述には耳を貸しますが、戦地に内閣府の大臣が入っていく中で、これ以上、民主主義を無視した軍拡競争の過熱には、頭を冷やして考えねばなりません。ぼくは、まったく賛成できません。
たとえば、仮定の話かもしれませんが、拉致の被害者に認定された日本人を奪還したとしても、法的な安定性が、まだ不十分だとかさまざまに要求は尽きませんが、ぼくは、あまり興味はありません。
日本人として腹を括って、人生を歩んでいくときに、万事休すのときと同じように、生活面から娯楽を排除するとか、両親を売りに出すといった極限を維持するというスタンスでは、これからも面白くありません。
他方、朝鮮半島からミサイルが頭ごなしに飛んできて、政府与党は情報を掴んでいたとか、断乎として抗議するといったままでは、安心と安全は吹き飛んでしまいます。そういう意味でも、この文脈上で平和ボケだった。だから、自国民が誘拐されるなどという犯罪が多発したわけです。
そこで、日本は侮られ、軽く扱われてきて、しかし、外交で脅しに屈さないように冷静に対応してきましたが、実際は、ミサイル兵器の実験台にされた上に、凄まれて、威圧されてきたわけです。それを軍事的な挑発だと報じて、黙って耐えているしかなかった。
従って、われわれは、的確に、弱点を突かれていたのです。
日韓関係は、独自の制裁を打ったことで、それ以前よりは、規律の取れた関係性が生まれていると思います。それは今まで、百回以上、両国の繁栄のためになどと聞いてきましたが、日本のような落ち着いた国家が、経済制裁を発動したほうが、むしろ、韓国に真意が伝わってよかったと思います。
変な話ですけれど、これからも日韓は仲良くやっていけるような気がする。
というわけで、今後の日本には、諸外国に丁重に扱われて、尊敬に値する立派な日本文化だと称されると、頭上をミサイルが飛び、自国民が誘拐されるような最悪の事態は避けられるように思います。
「日本は、重要ですよね?だから、重く扱って下さいね?」というフレーズを並べれば、相互の経済交流が深まって、仲良く暮らしていけるという格好に持って行くために、知恵を振り絞りたい。ただ単に、頭ごなしに外交に全力を注ぐということじゃなくて、ぼくは、日本語に住む者としてきっぷのいい、腹を括った人生態度を維持していくには、どうすればいいか悩んでいます。
なぜなら、日本は、終わらない国家だからですね。
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