第10話 新聞改革のレジュメ
ぼくの心臓に悪いというか、大きく動き過ぎていますので、箇条書きにして読んでもらうことになりました。本当は、文章に起こそうと思っていたのですが、善は急げということで、しかし、次善の策でレジュメに落ち着きました。
・民主主義と政治不信が退潮すると、マスコミ不信に飛び火して、誰も新聞を購読しなくなり、日本の得意分野だった「新聞の発行部数」という強みが裏返る。
・マスコミの情報は、取材力が落ちており、特に、テレビ放送の情報番組は、一時期の最盛期と比べると見る影もない。
・新聞紙が、「紙屑」になる日が近付いている。
・一面トップだけでも「号外」という成功体験の制度化によって、江戸の瓦版のようにターミナルで配ると、広告効果は高まると考えられる。
・ホームレスが収入を得るためのビッグイシューと、基本的には同じ構造である。
・総選挙は、日本中から、その時期その時期の逸材を政界に送り込むために発案されたシステムであり、現在は利益誘導の手段に形骸化して朽ちているが、これ以上、大胆不敵な制度は、今後ともありえない。
・民主主義の空洞化は、マスコミ不信に由来しており、廃仏毀釈に値する新聞の批判は、明治期の仏教に対する根強い不信感とよく似ている。
・神仏分離令のような決定的な落ち度が、今後、メディアに対してナショナリズムの支持を受けて展開されると、教育勅語のような致命的な政局に進んでいく。
・その正体は、デジタル尊王論のような形式である。
・日本には、国産の検索エンジンがないと思われているが、ヤフージャパンも、検索する能力があって、ソフトバンクの傘下に収まっている。そして、日本史で中国から文化を輸入したように、アメリカから検索技術を借りても、何ら不都合はない。
・世界中にあるエシュロンのように検閲能力は、盗聴技術に化けることがあり、情報力が筒抜けになった以上、音声は字幕のようにテキストで文字起こしされ、チェックされていると考えた方が無難である。
・従って、日本のスマホキャリアに応じた、ニュースの配信が組み合わさるべきで、たとえば、NTTドコモとNHKニュースのようなイメージが望ましい。或いは、KDDIと読売新聞というイメージで、毎日、通信社のように「号外」を夕刊化すべきである。そして、その理念は速報主義である。
・しかし、紙媒体をデジタルに溶かすべきかどうかは、判然としない。(要・議論)
・鎌倉の新仏教が競い合って、結局、室町期に足利義満によって制定された京都五山のような考え方が、現在の新聞にも最適である。(→五山の送り火)
・五大新聞というが、朝日、毎日、読売、産経、資本的には朝日系列だが特別な「日経BP」は、現代の東京五山とぴったり一致している。さらに、地方の組織もあって、改革の時機を逸すると、取り返しがつかない。
・形骸化した大衆紙の中身を充填して、民主主義の復興を遂げるべきだ。
・ところで、版元という梁山泊は、日本にとって「最後の砦」であり、背水の陣を敷いて臨んできたが、ペーパーバックに対する軽減税率の適用外は、痛手であった。
・そのような理由を背景にして、新聞社が税制を総力特集することが、無党派層による参政権の行使を保証している。
・飽くなき増税は、茶税法や酒税法など、アディクションに対する課税と似ている。
・世界史的に見て、宗教改革で聖書が誰でも読めるようになった事柄と、ウィキペディアを擁するオープンエディットの乱開発は、ファクトチェックを悪戯に甘やかしてきたが、本当に焦るべきは大学教授であって、失業する可能性を孕んでいる。
・なぜなら、日本史的に見て、学歴社会が信用を壊されると、私大戦略の水準が危うい線引きとなって、面倒な教育主義は敗北する。
・ぼくは、個人的に高校を中退したが、教育制度の拡充に賛成であり、それを成功させるには、むしろ、宿題の提出義務を却下することで、内申制度の自治を保つものであり、単位の許認可に対してペーパーテスト以上の責任能力を国家が逸脱しないことを認めるものである。(現状維持)
・ちなみに、現段階で起こっている難問化スパイラルは、即刻、逆回転をもって、勉強嫌いの生徒を自殺させないように、保護者と学校側が便宜を図るべきである。
とりあえず、きょうの分析はここまでとする。お疲れさまでした。
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