第7話 スーパーEVを企てる

手短に書くと、日本は、グリーンな成長戦略を描いているものの、ポスト・エコカーに苦慮しています。時代を推し進めてみると、分析が統合されて、目からウロコが落ちる瞬間があるので、聞いて下さい。

日本は、実は、電気産業と自動車産業の両輪で経済発展を遂げて来ましたけれど、これを合弁会社で組み合わせることで、技術力にシナジーが生まれる。

ポスト・コンシューマーの議論と同じですが、日の丸モビリティを目指すと、必ず失敗するのは、官民の性質が違っているからです。

これは、本当は経産省のぐうたらに、財務省の横槍が入って邪魔されている可能性があって、ビジネスなのに国内の政争になっているわけですね。

そこで、電気と自動車を組み合わせると、今までの研究に、新風が吹き込まれた、新しいインスピレーションの電気自動車が爆発的に普及する可能性があるんです。というのは、エコ家電やエコカーで環境性能を競い合っていた時代に対して、劇的に幕が降りるからです。

ナノテクノロジーで、結局、何も考えていなかったと結論付けるのは、まだ時期尚早かもしれません。銀イオンやナノイーだったり、プラズマクラスターという技術力が派生できて、リチウムイオンの全盛期が訪れたのは、ナノテクの研究成果だったと考えられるからです。

じゃあ、詳細は端折って書きますが、バイオテクノロジーでモビリティが動き始めたときに、日本社会全体の環境性能は大きく飛躍するとも考えられるわけです。

そこで、ここまで読んでくれた方々に、ぼくの田んぼディレクターの立場から内情をお知らせすると、イネゲノムの技術に、アグリ穀物メジャーが経営体として関わってくるという、シンプルに、それだけですね。規模が大きくなるだけです。

ところが、バイオテクノロジーを、編集工学から読み込んでいくと、コンピュータ技術そのものなんでしょうね。だから、バイオエレクトロニクスというドメインが設定されて、バイオマス発電所もピカピカしてて眩しいですが、むしろ、ポスト・コンシューマと組み合わさって、農業もIT技術の扱いに変わる流れに入っていくわけです。それをこそ、「バイオテクノロジー」と呼称してきた、という部分にストーンと議論が収斂されていくのだと思います。

政府は、カテゴリーを指定して税金を突っ込めば、技術者が切磋琢磨して台湾にも韓国にも勝てると思い込んでいるけれど、実際、産業史を総決算すればできると思います。それが前述した「スーパーEV」なんです。

ひとりの天才がいなくても、異業種の合弁会社を作れば、技術力の化学変化は否応なく起きると思われますね。江戸社会で混血が進んだ結果、庶民文化に花が咲いたのと同じです。

M&Aというのは、たとえば、アグリメジャーという企業体を経営する動きであって、傘下に収めても中身そのものには変化がない。むしろ、エントロピーが飛躍して、弱肉強食の世界に足を突っ込んでいく。

その経営戦略には展望はないでしょう。

こうした背景で、農業の未来は、医薬品や医療機器のイノベーティブな動きとは、一線を画した技術を有するのではないかと思います。

むしろ、電化製品の全面的な刷新であったり、時には、農機材の開発に専門的な立場から協力を惜しまない、監修するというイメージに過ぎません。

農業には、遺伝子組み換えよりも、何か潜在的なチャンスがひそんでいるなと考えて来ましたが、わたしが学生の頃に就活で流行っていたバイオテクノロジーだとは驚きました。そして、精妙な農場で凍える絵も見えて不思議でした。なぜなら、冬季は、基本的にシーズンオフだからです。

ところで、日本文化が冷え込んだとしても、「本」で温めて読む、東野圭吾の「新参者」のように、人形町を描いて物語で保存しておくといった執筆が欠かせない。しかし、このようなホットなテクノロジーは、金に目が眩むこともあって、冷やして読むことが求められます。




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