第10話 恩猫の家

「恩猫の家」


行きに帰りに通る所がある。

猫を保護してくれた家だ。そして、縁あって、その猫はうちに来た。

それが、今はいない、チャポンタだ。

今日は、その家の玄関ドアの横に、全身金茶トラが前足揃えて

立ちずわりしている。

フェンス越しに、声かける。目を細めて、こちらを向く。

すぐ横には、水をためるにいい底が広く平らな器が置いてある。

今も続いているのか、恩猫の家。

  …恩猫(おんねこ)恩人とも言う.行き場のない猫を気遣って

           くれること.    私の造語です。


恩猫の家‥‥続

向かって左が金目、右が青。

その青色は、よく晴れた初夏の空色に似て、澄んでいて美しい。

毛色は黒と白、いわゆるウシ柄だ。

ドア横にいる。いつでも逃げられるという、低い姿勢でうずくまっている。私が動くと、一緒に猫の顔も動く。でも、警戒はしていない。目はいたってやさしい。金目の方を薄くして、ウインクでもしそうだ。

待っているのか、横には何も入っていない器が置いてある。

日はやっと昼になろうとしている。


家の東側角に電柱がある。

そこで、チャポンタは発見された。

電柱のゴミ置場、ゴミの中に子猫。

大きくないて、助かった。

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