第11話 氷塊

「氷塊」


ドリームスケートショーを見に行く。

その日は、雨の後の曇りから晴れとなる。今は、薄曇りの空から

陽の光がもれ出ている。蒸し暑い。


アリーナの中は冬。

圧巻の演技、圧巻の演舞、大音量の曲に酔う。

頭ん中、パンパンになる。そして疲労。

今夜は、食うより、寝る。熟睡、爆睡、そして夢の中。

痩せた猫がスケート履いて、氷の上を滑る。

痩せている分、クルクル回るのが落ち葉のように、はかない。

次は、足の太い猫がやってきた。

大音量の曲にも負けず、スケートで削れる氷の音が雷だ。

くいこんだ、回った、大きな氷の塊が、飛び散った!

危ない! 演技よりも気になる。


そこへ、鍵山優真君が出てきて、その氷塊を拾って、リンクの外に出す。

あぁ、なんて凛々しい。猫に混じって、鍵山君はのびのびと手足を

表現豊かに、スイスイ滑る。 見事。


フィナーレの猫の乱舞、長いしっぽ振って、私の頭をポンポンたたく。 頭が痛くて、目がさめる。

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