光と闇のバトルアクション

 玄武とその仲間たちは世界を救う旅の途中で宿に寄っていた、その日の夜、玄武は宿の布団の上で目を覚ました、しかし…


「白虎!アリア!レッド・ドラゴン!どこだ!?どこにいるんだ!!?」


 寝る前には一緒にいたはずの玄武の仲間たちは忽然と姿を消していた。


「トイレか!?いや、それにしては3人揃って姿を消しているのはおかしい…」


 その時である、玄武の前に謎の人影が現れた。


「何者だ!!?名を名乗れ!!!」

「私の名前は黄龍、あなたと同じバトルアクションです」

「何!?バトルアクションだと!?」

「あなたのお友達は私が攫いました」

「なっなんだと!?なぜ俺の仲間を!」

「光のバトルアクション現れし時、闇のバトルアクションと相対する、私とあなたは戦う運命にあるのです」

「ふざけるな!!俺は仲間を助けるために戦う!!!」

「いいでしょう、では早速始めましょうか」

「望むところだ!!!」


 こうして2人のバトルアクションが始まった。


「先手必勝!玄武流波動砲!!」

「甘いですね、黄龍流波動砲」


 二つの波動砲が相殺する。


「なにっ!?波動砲だとっ!?」

「あなたの攻撃は何もかも分かっています」

「くっ!!ならばこれはどうだ!!大・玄武波!!!」

「無駄ですよ、黄龍流波動砲」


 またしても相殺される。


「なるほどこれがあなたの実力ですか、いいでしょう、お友達を助けたいのなら私の居城である黄龍城まで来ることです、私の仲間たちと共に待っていますよ」


 黄龍は姿を消した、玄武は周りを見渡すが黄龍の気配はどこにもない。


「黄龍城か、白虎!アリア!レッド・ドラゴン!待っていてくれ!必ず助けるからな!!」


 そう言って玄武は黄龍城にむかった。一時間後、玄武は黄龍城にたどり着いていた。


「ここが黄龍城か、なんとも禍々しい城だな、むっ!殺気!!」


 玄武は素早く身構えるとそこには黄龍城の門番がいた。


「我が名はキャッスル・キーパー!!黄龍様のため貴様を倒す!!」

「キャッスル・キーパー!! 貴様を倒し俺は黄龍城に入る!!」


 二人の戦いが始まった。


「いくぞぉー!!玄武流波動砲!!」

「ふんっ!そんなもの効かないわぁー!! ぬぅん!!」


 キャッスル・キーパーの放ったカウンターパンチにより玄武は吹き飛ばされてしまった。

「ぐああああっ!!」

「まだまだ行くぜぇ!!」


 さらにキャッスル・キーパーの攻撃が続く。


「くらえ!!キャッスルナックル!!」

「うおおおっ!!」

「まだ倒れないのか!?しぶといな!!だがこれで終わりだ!!」


 キャッスル・キーパー渾身の一撃が炸裂する。


「ぐうああああ!!」

「さすがにもう限界だろう?降参しろ!!」

「誰がするかぁ!!!」

「しつこい奴め!!ならばとどめだ!!」


 玄武は必殺キックを放った。


「玄武流奥義!!玄武流爆裂脚!!」


 キャッスル・キーパーは吹き飛んだ。


「ぐふぅっ……まさかこれほどとは……しかし負けるわけにはいかない……黄龍様に栄光あれ……ぐはっ……」

「やった……勝った……!」


 キャッスル・キーパーを倒した玄武は黄龍城の中に入った。しかし……。


「誰もいない……?」

「私はここにいるわよ」

「誰だ!?!?」

「私の名前はモンスーン・タイフーン、黄龍様の仲間の一人よ、まずは私が相手をしてあげる」

「望むところだ!」

「私の黄龍台風拳を喰らいなさい!! キエーッ!!」

「ぐはっ!!なんだこの技は!?」

「私を倒さないと先へは進めませんよ」

「だったら倒すだけだ!! 玄武流波動砲!!」

「無駄です!!私の台風拳で跳ね返します!! ハァーッ!!」

「なっ!?」

「私の黄龍台風拳を舐めないことね」

「くそっ!ならばもう一度だ!!」

「無駄だって言ってるでしょう!!」


 その後も玄武のバトルアクションが続いたが、どれも効果はなかった。


「はぁ、はぁ、はぁ、どうすればいいんだ!?」

「諦めて帰るといいでしょう」

「嫌だ!!俺はまだ戦える!!」

「ならば止めを刺すのみ!!」

「くっ!!」

「覚悟を決めろ、そして私を倒してみせなさい!!」

「やってやる!!玄武水柱拳!!!」


 玄武の全身全霊を込めた必殺技が放たれた。


「その程度ですか、黄龍ハリケーンナックル!!」


 モンスーンはカウンターを仕掛けるが、玄武は避けなかった。


「バカな!?避けることもできないほど消耗しているというのですか!?なぜ立ち上がれるのです!?」

「お前を倒すためなら、俺は何度でも立ち上がる!! 玄武水柱拳!!」

「な、なんですって!?私の黄龍ハリケーンナックルが押し返されている!? な、なんてパワーなの……!?」

「これで決める!!玄武流波動砲!!」

「きゃあああ!!」


 こうして玄武はモンスーンに勝利した。


「くっ、強い、強すぎる、このままでは黄龍様が危ない、早く戻らないと、待っていてください、黄龍様、今行きます!!」


 モンスーンは姿を消した。


「なんとか勝てたか、よし次はどこに向かえばいいんだ?白虎、アリア、レッド・ドラゴン、必ず助けるからな……」


 玄武はそう言い残し、次の場所に向かった。そして玄武がたどり着いたのはたくさんの時計がある部屋だった。


「なんだこの部屋は!! 時計が沢山あるぞ!!」

「ははは!! ここは時空の間!! 私は黄龍時空拳の使い手のタイム・ストッパー!!」


玄武の前にたくさんの時計を付けた男が現れる。


「お前が敵か!! 玄武流波動砲!!」

「ふんっ! 効かんわぁ!!」


 なんと攻撃が全く効かなかったのだ!


「なにっ!?どういうことだ!?」

「私の時空拳の前ではどんな技も無意味なのだ!!」

「くそっ!!こうなったら接近戦で戦うしかない!! 玄武流波動砲!!」

「効かないと言っているだろう!! 時空拳!!」


 玄武の波動砲は弾き飛ばされてしまった。


「うわああっ!!」

「はは!!弱い!!弱過ぎるぞ!! 玄武!!貴様のような雑魚がここまで来られるとはな!!さっさと片付けて帰らせてもらう!!」

「まだだ!!まだ終わらない!! 玄武流波動砲!!」

「ふんっ!!無駄だとわからないのか!!時空拳!!」



 またしても弾かれてしまう。


「うおおおおお!! 玄武流波動砲ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

「うるさい!! 無駄だと言ってるだろう!! もう終わりにしてやろう!! はああああああああ!!」

「ぐはっ……そんな……馬鹿な……」

「さぁ、これでわかっただろう? お前は私には勝てないと、大人しく帰るんだ」

「誰が……帰るものか……俺は……みんなを助けるまで……絶対に……諦めたりしない……!」


 玄武はあることを考えていた、いくらなんでもここまで攻撃が通らないのはおかしい、やつの時空拳にはなにか秘密があるはずだ。


「どうした、降参する気になったかね?」

「いいやまだだ、一つだけ試したいことがある」

「ほう、それはなんだ?」

「俺の技を全て受け止めてくれないか」

「ふっ、面白い、やってみろ」

「いくぞ!!玄武流波動砲!!」

「無駄だ!!時空拳!!」

「まだまだ!!玄武流波動砲!!」

「無駄だ!!時空拳!!」

「くそっ!!玄武流波動砲!!」

「無駄だと言ったはず!!時空拳!!」

「くそっ!!玄武流波動砲!!」

「無駄だと言うのがわからんのか!!時空拳!!」

「くそっ!!玄武流波動砲!!」

「無駄だ!!時空拳!!」

「くそっ!!玄武流波動砲!!」

「だから無駄だと言っているだろう!!時空拳!!」

「くっ!!玄武流波動砲!!」

「何度やっても同じだ!!時空拳!!」

「くっ!!玄武流波動砲!!」

「はっはっはっはっ!! 無駄だというのがわからんのかい!?時空拳!!」


 玄武は玄武流波動砲を何度も使う中でタイム・ストッパーの時空拳の正体を見抜いていた、そう、やつは時空拳を放つときに必ず時計をつけている、その時計に時空拳の秘密が隠されているに違いない。


「玄武流波動砲!!」

「またそれか、同じことを繰り返すつもりならこちらにも考えがありますよ、時空拳!!」

「今だ!!玄武流波動砲!!」

「な、なんですって!?」

「やっと当たったな、お前の時空拳、いや、正確には時空間拳、そして、時空拳で放つ技は全て、時間を巻き戻す力を持っている、つまり、今の俺は過去の姿になっているというわけだ、だが、残念だったな、過去の姿でも、未来の技術で作られたこのスーツがあれば、ダメージを与えられるんだよ」

「バカな!?なぜそれが……!?」

「未来の技術で作ったんだ、これくらいわかっていて当然だろう?さぁこれで決める!!玄武流波動砲!!」

「ぎゃああああっ!!」


 こうして玄武はタイム・ストッパーを倒した。


「よし、次に向かうぞ!!待っていろ、白虎、アリア、レッド・ドラゴン!!必ず助けるからな!!」


 玄武は次の場所に向かった。玄武がたどり着いたのはたくさんの剣が刺さっている部屋だった。


「ここは……?なんだこの剣は?まるで墓標みたいじゃないか」

「よく来たな、俺は黄龍流剣術の使い手のエクストリーム・エッジだ!!」

「お前が敵か!!玄武流波動砲!!」

「ふんっ!!効かんわぁ!!」

「なにっ!?」

「はは!!そんなもの効くものか!!黄龍流居合術!!」

「うわああっ!!」

「はははは!!弱い弱い!!もっと強いのを見せてやるぜぇ!! 天翔乱舞!!」

「うわああっ!!」

「はは!!弱い弱い!!こんなもんなのか?玄武とやらは!!はははははは!!もう終わりにしてやろう!! 大車輪!!」

「ぐああああ!!」

「どうだ!!これが黄龍流奥義!!双極斬!!」

「うがああっ!!」

「とどめだ!! 天昇連撃!!」

「ぐわああああ!!」

「はははははは!!弱い!!弱すぎるぞ!!お前みたいな雑魚では話にならないな!!もう終わりにしてやろう!! 一刀両断!!」

「ぐああああああ!!」

「はは!!もう終わりだな!!お前など、俺の足元にも及ばん!! さぁ、俺の最強の技を受けて死ね!! 必殺!!黄龍爆裂波ぁぁ!!」

「うおおおおおおお!!!!」

「ふんっ!まだ立ち上がるのか!?」

「まだ終わってない!!」

「しつこい奴め!!これで終わらせてやろう!! ファイナル・ブレイク!! 」

「ぐうっ!!負けるか!! 玄武流波動砲ぉー!!」


 エクストリーム・エッジのファイナル・ブレイクと玄武の玄武流波動砲が激突する。


「ぬおおっ!!」

「くうぅっ!!」

「なかなかの力だな、だが、俺には勝てんぞ!! はぁっ!!」

「くっ!!なんてパワーだ……!!だが、負けられないんだ……!!みんなのために……!!」

「くらえっ!!究極!!黄龍流超絶剣!!」

「玄武流波動砲!!」


 玄武の玄武流波動砲の方が威力が高く、エクストリーム・エッジの必殺技を押し返していく、そしてついに必殺技を打ち破ったのだ!!


「なん……だと……!?」

「これでトドメだ!! 玄武流波動砲!!」

「ばかなっ!!この私がっ!! ギャアアッ!!!!」


 こうして玄武はエクストリーム・エッジを倒した。


「やった!!勝ったぞ!!白虎!!アリア!!レッド・ドラゴン!!すぐに行くからな!!」

「待ちなさい!!ここから先は行かせませんよ!!」

「誰だ!?」

「私は黄龍流忍術の使い手、ダークネス・シャドーです」

「貴様が相手か、ならば、倒して先に進むまでだ!! 玄武流波動砲!!」

「無駄ですよ、その程度の攻撃で私を倒すことなどできませ……!?な、なんですって!?」

「残念だったな、玄武水柱拳を甘く見るなよ?」

「ぎゃあああああああ!!!!」


 玄武はダークネス・シャドーを倒した。


「よし、次に行くぞ!!待っていてくれ、白虎、アリア、レッド・ドラゴン!!必ず助けるからな!!」


 玄武は次の場所に向かった。玄武がたどり着いた場所は真っ暗だった、そこにいたのは、


「ようこそ、玄武、俺は黄龍流槍術の使い手、デス・スピアーだ」

「次はお前か、覚悟しろ!!玄武流波動砲!!」

「ふん、バカの一つ覚えのように、同じ技ばかり使うとは、呆れたものだな、はぁっ!!」

「なにっ!?避けた……いや、違う、後ろに飛んだのか!!」

「正解だ、さすがは玄武、勘がいいようだな、だが、もう遅い!! 喰らえ!! 黄龍流奥義!! 天昇連撃!!」

「うわああっ!」

「はははははは!!!どうだ!!これが黄龍流の奥義だ!! まだまだいくぞ!! 大車輪!!」

「ぐわああっ!!」

「はは!!弱い弱い!!こんなもんなのか?玄武とやらは!!はは!!終わりにしてやる!! 天翔乱舞!!」

「うわああああっ!!」

「とどめだ!! 天上天下無双突きぃ!!」

「うわああっ!!」

「ふはは!!弱い弱い!!弱すぎるぞ!!お前なんかに俺が負けるわけがない!!もう終わりだ!!死ねぇぇ!!」

「ぐあああっ!!」


 この真っ暗な部屋ではデス・スピアーを捉えることができない、しかしデス・スピアーはこの真っ暗な部屋の中でも縦横無尽に動いている、それは一体なぜなのか。


「はは!!そんなところに隠れても無駄だよ!!どこにいるか丸わかりだからね!!ほらっ!!こっちだ!!ははっ!!さぁ!!死にな!! 天翔乱舞!!」

「ぐわああああああ!!」


 そう、この暗闇の中で自由に動けるのは、自分の影を自由に操ることができるからだ。


「はは!!弱い弱い!!もう終わりかい?じゃあさようならだね、死ねええええっ!!」

「まだ……まだだっ!!うおおおおっ!!」

「なんだとっ!?」

「これが、俺の必殺技だ!! 玄武流波動砲ぉぉぉ!!」

「ぐうっ!!」

「まだ終わらない!!さらに、玄武水柱拳!!波動砲ぉぉぉ!!」

「ぬおおっ!!」

「これでトドメだ!!必殺!!玄武流波動砲ぉーーーーーーっ!!!」

「がああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」

「はぁ……はぁ……なんとか勝ったぞ……」


 こうして玄武はデス・スピアーを倒し、次の場所に進んだのであった。次の部屋これまでとは雰囲気の違った機械が沢山ある部屋だった。


「ここは……どこだ……?」

「バトルアクション玄武を発見、攻撃に移ります」

「誰だ!?」

「私の名前はメカ・ファントム、黄龍様によって作られたリー・ファントム型ロボットです、使う拳法の名前は黄龍幻影拳です」

「メカ・ファントムだと!! 面白い!! かかってこい!!」

「はい、それではいきましょう、 究極!黄龍流超絶剣!!」

「玄武流波動砲!!」


 二人の究極技が激突する。


「くぅぅぅぅぅぅっ!!なかなかやりますね、でしたらこれはどうですか? 黄龍流幻夢術!!」

「なに!?」

「はぁぁぁ!!! 眠れっ!! 黄龍流悪夢術!!」

「ぐわああっ!!」

「まだまだ行きますよ!! 黄龍流秘奥義!! 黄龍流地獄術!!」

「ぐわああっ!!」

「はぁ……はぁ……さすがですね、ですが、これでトドメです!! 黄龍流極悪滅殺拳!!」


 玄武はメカ・ファントムの攻撃を寸前で避ける。


「けっ、これなら本物のリー・ファントムのほうが10倍は強いぜ?」

「なんのことです?」

「なんでもねぇよ、それよりてめぇも俺には勝てん、なぜなら俺は玄武だからな!!」

「意味が分かりません、とにかく倒させていただきます」

「やってみろ」

「言われなくてもやって見せます、はああああああああああ!!」

「うおおっ!!」

「黄龍流最終奥義!! 黄龍流極限覇王剣!!」

「玄武流波動砲!!」

「なにっ!?」

「どうした?その程度か?玄武流波動砲!!」

「ぎゃに!!」

「玄武流波動砲!!」

「ぎゃに!!」

「玄武流波動砲!!」

「ぎゃに……!」

「とどめだ!!玄武流波動砲!!」

「ぎゃにっいいいいいいぃぃぃいぃぃいぃいいい!!!!!」


 メカ・ファントムは爆発した。


「ふぅ、こんなもんかな、よし次に行くぞ!!」


 そして玄武は次の場所に向かった。玄武は次にたどり着いた場所は真っ白の部屋だった、そこには一人の少女がいた、少女は言う。


「よく来たわね、私はアリア、黄龍の友人よ、よろしくね」

「アリア!! アリアなのか!! どうしたんだ一体!! アリアは俺たちの仲間のはずだろ!!?」

「あら?私があなたたちの仲間?冗談じゃないわ、私たちは友達でも何でもないわ、ただの敵同士よ?それに、もう私たちの戦いは始まっているのよ?早く始めましょ?」

「戦いなんてしたくない!!目を覚ませ!!アリア!!!」

「残念だけどそれは無理ね、だって今の私、黄龍様に完全に操られているもの。さぁ、始めるわよ。」

「くそっ!!」


(一体どうしてこうなったんだよ……)


「はああっ!!」

「ぐわあっ!!」

「ふふふ、どうかしら?私の黄龍藍月拳は?」

「くっ!!まだまだだ!!」

「ふーん、そう……じゃあいくわよ、黄龍流最終奥義!! 黄龍流極限覇王剣!!」

「玄武流波動砲!!」

「無駄よ、あなたの攻撃は全て見切ってるわ、黄龍流波動砲」


 玄武とアリアの波動砲が激突し相殺される、玄武はアリアが波動砲を使ったことに驚きを隠せない。


「なぜだ……!?お前が波動砲を使えるはずがない……」

「さぁ、これで終わりよ!! 黄龍流究極奥義! 黄龍超絶螺旋波!!」

「ぐああああっ!!!」


 アリアの奥義が玄武にあたる、その中でも玄武は考えていた、アリアは黄龍に操られているだけなんだと。


「くっ……!アリア……!目を覚まして……くれ……!」

「ははっ!!まだ生きてたの!?しぶといってのもあるけど、ほんとうに強いわね、流石はバトルアクションってところかしら!!」

「俺は……!!絶対に負けられない……!!!」


 玄武は立ち上がり再び攻撃を始める、しかし、先ほどまでと違い、動きが鈍くなっている。


「はああああ!!」


 玄武の攻撃がアリアに当たる、しかしそれは大したダメージにはならなかった。


「はははっ!!やっぱりね!!そんなにダメージを負っている状態で私に勝てるわけがないものね!!」

「ぐっ……!!」

「ほぉら!!どうしたのかしら!?もっと本気で来なさいよ!!黄龍流波動砲!!」

「ぐわああっ!!」

「はぁ……はぁ……さっきからなによ!!さっさと諦めて死んじゃえばいいのよ!!黄龍流超絶螺旋波!!」

「ぐああっ!!」

「はぁ……はぁ……なんでよ!!? なんで立ち上がるのよ!! さっさと倒れなさいよ!! 玄武!!!!」

「アリア……俺は……アリアを救うんだ!!!」


 その時である、玄武の体が光り始めた。


「な、なによこの光は!?」


 この体の光に玄武自身も困惑していた。


「なんだこの光は!? これはもしや、やつが言っていた光のバトルアクション!!アリア!! 玄武流波動砲!!」

「黄龍流波動砲!!」


 二人の波動砲がぶつかり合う。


「うおおおっ!!」

「はあああっ!!」

「うおおおおおお!!!うおおおおっ!!!」

「はああっ!! はああっ!! 玄武流波動砲!!」

「はぁ……はぁ……はぁ……ど、どうなってるの……?なんなのよこれ……?」

「俺にもわからない……だが、一つ言えることは、今ならお前を助けることができるかもしれないということだけだ!!」

「助ける……ですって……?」

「そうだ!!だから目を覚ましてくれ!!アリア!!」

「はは……何を言ってるのか分からないわね!!」

「そうか……ならば仕方ない、行くぞアリア!!」

「えぇ、かかってきなさい」

 

 玄武は構える、そしてアリアも同じく構える。


「玄武流波動砲!」

「黄龍流波動砲!」


 玄武流波動砲が黄龍流波動砲を飲み込んだ。


「まさか……こんなことが……」


 アリアの表情が変わる。


「はぁぁぁぁぁ!!!」


 そのまま玄武はアリアに向かって走り出す。


「玄武覚醒拳!!!」

「ああああああああああああ!!!!」


 玄武覚醒拳を喰らったアリアは正気を取り戻した。


「あれ?私は一体……?」

「アリア!大丈夫なのか!?」

「うん……ちょっと頭が痛いくらいかな……でももう平気だよ」

「よかった……本当に良かったよ……アリア……ありがとう」

「いえ、こちらこそごめんね、迷惑かけちゃって……さ、早く黄龍を倒しちゃおっか!!」

「あ、ああ!!」


(さすがだぜアリア、完全にいつも通りだ)


「ところでアリア、黄龍はどこにいるんだ?」

「黄龍は黄龍城の屋上にいると思うよ?」

「よし、行こう!!」


 二人は黄龍がいるであろう黄龍城の屋上に急いで向かうことにした、しかし……黄龍城の屋上の前にはたくさんの敵がいたのだ。


「くそっ!!邪魔をするな!!」


 そしてたくさんの敵の中にはモンスーン・タイフーンがいた。


「ふふふ、無駄よ、あなたたちはここで死ぬ運命にあるの、大人しく死になさい、黄龍台風拳!!」

「玄武流波動拳!!」

「黄龍台風拳!!」

「玄武流波動砲!!」

「黄龍ハリケーン拳!!」

「玄武水流撃波!!」

「黄龍暴風雨嵐!!」

「玄武流水柱波!!」

「黄龍豪雨雷雨!!」

「玄武激流斬!!」

「黄龍暴風竜巻!!!」

「玄武岩壁盾!!」

「黄龍超絶螺旋波!!」

「玄武超絶螺旋波!!」


 激しい戦いが続く中、玄武はあることに気付いた。


「モンスーン・タイフーン!! 貴様の黄龍台風拳の正体を見切った!!」

「へぇ、じゃあ教えてちょうだいよ、私の技の秘密を!!」

「わかった、まずはあの黄龍台風拳、それは黄龍が作り出した黄龍が生み出した黄龍の力を使っているに過ぎない!!」

「そのとおりよ、それがどうかしたのかしら?」

「つまり、黄龍がいなくなれば黄龍の力は消えるということだ!!」

「くくっ、バカねぇ、私がそんなことに気付かないとでも思ったの?残念だけど屋上には行かせないわ!!」


 モンスーン・タイフーンがさらなる奥義を繰り出そうとした時、アリアがモンスーン・タイフーンの前に割って出た。


「おい!!アリア!?」

「待ってて、今すぐ終わらせてくるから!!」

「なによあんた、洗脳が解けたというの!?」

「ええ、悪いけど私も負けられない理由があるのよ、それに私、結構頭に来てるのよね、よくも私を操ってくれたこと、絶対に許さないんだから!!!」

「ふん、まあいいわ、さあ!!死んじゃいなさい!!」

「死んじゃうのはどっちか思い知らせてあげるわ!!」


 アリアとモンスーンは同時に必殺技を発動させた。


「青龍藍月拳!!」

「黄龍台風拳!!」


 二人の拳法がぶつかり合うが、徐々にアリアの青龍藍月拳が押し始めた。


「なんですって!?」

「これで終わりよ!!はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

「ぐぅっ!!ううううううううう!!きゃああああああああああっ!!!!」


 アリアの攻撃でモンスーン・タイフーンは倒れてしまった。


「やったぞアリア!!」

「うん!!」


二人は黄龍城の屋上へと急いだ。そしてついに玄武達は黄龍の待つ屋上に到着した、そこには一人の男の姿があった。


「待っていましたよ玄武、アリア、私が力を与えた仲間たちを全員倒すとは驚きましたよ」

「黄龍!! 貴様を倒し白虎とレッド・ドラゴンを助ける!!」

「ふふっ、光のバトルアクションと闇のバトルアクション、どちらが強いかここで決着を付けましょう」

「ああ!! アリアは下がっててくれ、ここから先は俺一人でケリをつける!!」

「うん……頑張ってね……」


(玄武……あなたなら勝てるはずよ)


「行くぜ!黄龍!!」

「来ますよ……玄武!!」


 そして戦いが始まった。玄武VS黄龍の戦いが始まる。


「くらえ!!玄武覚醒拳!!」

「黄龍陽陰拳!!」


 玄武と黄龍はお互いの拳をぶつけ合った。


「はぁ……はぁ……はあ……どうやらお前の技の方が少し上みたいだな、だが俺は負けないぜ!!」

「いいでしょう、ならば見せてあげよう、究極の黄龍を、はああっ!!」


 すると黄龍は闇に包まれていき、その姿はまるで悪魔のような姿になったのだ。


(これが真の黄龍なのか……?)


「さあ、行きますよ!!はああっ!!」

 黄龍は玄武に向かって攻撃を放った、しかし玄武はその攻撃をかわすことに成功した。


「まだまだこれからですよ!!」


 さらに黄龍の猛攻が続く、玄武はそれをなんとか避け続けた。


「くそっ!!なんてスピードなんだ!!」


 そしてしばらく玄武は攻撃を受け続けていたが反撃に出たのだ。


「よしっ!!今度はこっちからだ!!玄武流星拳!!」


 玄武の連続パンチが黄龍に炸裂する。


「ぬおおおおっ!!」

「まだ終わらねえ!!玄武彗星蹴り!!」


 連続キックが決まったかに見えたその時だった、なんと玄武の動きが止まってしまった。


「しまった!!これは!?」

「そうです、この技はあなたの動きを止めるためのもの、もうおしまいですね、ではトドメといきましょうかね、黄龍流滅殺拳!!」


 玄武にとどめを刺そうとした瞬間、黄龍の後ろにはアリアがいた。


「させません!!はああっ!!」

「なっ!? 貴様いつの間に後ろに!?」

「油断しましたね、私はただあなたの隙を狙っていただけなんですよ」

「くっくくく、やるじゃないですかアリアさん、まさか洗脳が解けていたとは……でも残念でした、私にはこれがあるんです!!」


 黄龍が指を鳴らすとモンスーンが黄龍の隣に現れた。


「私の黄龍陽陰拳の力でモンスーン・タイフーンの幻影を出しました、幻影とはいえ本物と同じくらい強いですよ」

「モンちゃん!!どうして!?」

「ふふっ、モンスーン・タイフーンの幻術で惑わせておきましたよ、さて、まずはこの邪魔者を片付けてしまいましょうか」

「くっ!!させないわ!!」


 アリアがまた前に出て戦おうとした時、玄武がそれを止めたのである。


「大丈夫だよアリア、ここは俺に任せてくれ、アリアには助けられてばかりだからな、たまにはカッコつけさせてくれないかな?」

「でも……」

「アリアは白虎達を助けに行ってくれ、あとは任せろ!!」

「分かったわ、気をつけてね!!」


 そしてアリアは白虎とレッド・ドラゴンの元へ走っていった。一方その頃モンスーンの幻影と対峙することになった玄武であったが、その実力は本物のモンスーンと同じぐらいの強さを持っていた。


「はぁっ!! うらぁっ!!」

「なかなかやりますねぇ、ですが私を倒すことはできませんよ」

「それはどうかな? 俺はまだ本気を出してないんだぜ!!」


 玄武の体が光り輝き始めた。


「何!?あれは一体!?」

「行くぞ!! 超必殺!! 玄武神化!!」

「ぐっ!!ぐわああああああ!!!!」


 激しい光が辺り一面を包み込み、眩しさで何も見えなくなった。そして光が収まった時にはそこには一人の少年の姿があった。


「玄武……なのか……その姿は……?」


 黄龍は驚きの声を上げた、なぜならそこに現れた玄武の姿が今までと全く違うものだったからである。


「ああそうだ、これが俺の真の力だ!!」

「そんな馬鹿なことがあっていいのか……玄武は光のバトルアクションではなかったというのか……」

「いや、俺は正真正銘、光のバトルアクション使いさ、ただしこの姿になることが出来るってことだけどね」


 そう言って玄武は自分の姿を眺めた、それは青龍王国に伝わる神の姿と同じであった。


「あんたが悪魔ならこっちは神だ!! 覚悟しろ黄龍!!!」

「ふふっ、面白いですね、ならばこれでどうでしょうか!!」


 黄龍は再び闇に包まれると悪魔のような格好になったのであった。


「はぁぁぁぁ……はああっ!!」


 黄龍は全身から波動のようなものを放ち出した。

「うおっ!!なんてパワーだ!!」

「ははははははは!!さあ、次はこちらの番ですよ!!はああっ!!」

「玄武水柱拳!!」「無駄ですよ!!はああっ!!」

「玄武水流乱舞!!」


 玄武は両手に水の力を集中させると黄龍に向かって攻撃を放った。しかし黄龍も負けじと反撃に出る。

「黄龍流滅殺拳!!」

「玄武彗星拳!!」


 二人の技がぶつかり合い爆発が起きた。


「ぬおおおおおおっ!!」


 爆風によって二人は吹き飛ばされてしまう。


「くっ!!なんて威力なんだ!!」


(だがまだこっちの方が有利のはずだ!!)


「はああっ!!」


 玄武は空中に飛ぶとその勢いのまま落下し、そのまま蹴りを入れた。


「ぬおおっ!!」

「まだまだ!!玄武流星脚!!」


 さらに連続キックが決まり黄龍を追い込んでいく。


「ぐぅ!!調子に乗るんじゃありませんよ!!」


 黄龍は玄武に攻撃をするが玄武はそれを全てかわす。


「玄武流竜巻蹴撃!!」


 今度は足に風の力を集め黄龍に放つ。


「黄龍流滅殺拳!!」


 黄龍は拳に波動を込め、玄武の攻撃に対抗する。


「玄武水柱拳!!」

「黄龍陽陰拳!!」


 二つの技が衝突する、その衝撃で周りに大きな衝撃波が起こる。


「くっ!!」

「くそっ!!」


 お互いにダメージを負ったようだ。そしてお互い次の一撃で勝負が決まると察した。

「もう終わらせようか」

「えぇ、そうですね」


 二人の間に緊張が走る。


「玄武!!あなただけは絶対に許さない!!黄龍陽陰拳奥義!! 龍覇連弾!!!」

「黄龍!!お前だけは絶対倒す!!玄武水柱拳究極必殺技!! 龍魂大爆破!!」


 黄龍の連打に対して玄武はただただ全力で突っ込む。


「はぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「うらああああああ!!」


 両者の力がぶつかり合う。


「ぐわああああ!!」


そして最後に立っていたのは…………。


「やった……勝ったぞ……俺が倒したんだ……!!」

「くっくく、見事ですねぇ、まさかここまでやるとは思いませんでした、でも私の勝ちですねぇ、くっくっく」

「なに!?どういうことだ!?」


 すると黄龍は倒れていたはずのモンスーン・タイフーンの幻影を出した。


「なっ!?なんで!?確かに玄武の水柱拳は当たったはずなのに!!」

「私が幻影だと気付かなかったんですか?残念ながら私は最初から最後までずっとここにいましたが?」

「そんな……じゃあ本物の黄龍はどこにいるんだ!?」

「それは言えませんねぇ、まあヒントだけ教えてあげましょう、玄武さん、あなたの後ろですよ」

「なに!?」


 玄武は振り向いた、そこには……血まみれで倒れている白虎の姿があった。


「白虎!!どうしてこんなことに……」

「ふふふ、彼はいい子でしたよ、ですが私を倒そうと頑張ってくれましたが、所詮は人間、限界がありましてね、だから死んでしまいました」

「貴様が……白虎を……うおおおおおおおおお!!! 許さん!!! 玄武流波動砲!!」

「無駄ですよ、はああああああ!!!」

「ぐうっ!!」


 玄武は吹っ飛んだ。


「そんな馬鹿なことがあってたまるか!!黄龍!!俺は絶対に諦めない!!俺は必ず貴様を倒して見せる!!」

「そうですかそうですか、ならばもっと強くなってくださいね?」


 そう言うと黄龍は消えた。


「待ってろよ黄龍……必ずこの手で……」


こうして光のバトルアクションと闇のバトルアクションの戦いが始まったのであった。


~続く~

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