No.1ホストと俺
@rinkacyan
第1話 No.1ホストのあの人
俺は、ゲイだったのか。
瀬戸 涼。大学生。
最近、ゲイと気付いた。
キッカケは、女のコと遊ぶのがつまらなくなったからやと思う。
ふわふわの体も、かわいい顔にも、いまいちドキッとすることがない。
けど、男にもドキッとしない。
そう思っていたけど、あの写真を見て―・・・。
✨️
「今日も来たで〜、塁くん♡」
まるで豪邸の一室みたいな部屋に、
綺麗な男の子と二人きり。
「・・・あ゙?またお前か」
ギロリ、と淡い銀色の瞳で俺だけを睨む。
「そんなに睨まなくてもええやろ」
「俺は男は抱きたくねぇ。お前も分かってるだろ?」
「分かってる。抱かれるつもりはないから〜。」
逆に、俺が抱いてやる。
それはまだ、口に出さない。
高嶺 塁。
京都にあるホストクラブ『funny hosts club』のNo.1ホストだ。
街中の看板で、彼の顔を見かけた。
その瞬間、雷に打たれた気がしたんだよ、これほんと。
銀に染めた髪、
ひすい玉みたいな銀色の瞳。
まつげもお人形さんみたいに長くて、
雪を思わせる肌も、
意地っ張りで、上から目線な性格も、
全部合わせて、新鮮で。
「塁くんって、ほんと綺麗やなぁ」
「綺麗?」
驚いたように、塁くんが目を見開かせた。
「まつげなが〜い」
「ジロジロ見んな!!うっとうしい」
あ、照れてる?
彼のことをもっと知って・・・そしたら、
俺のこと、少しでも気になってもらえるんかな?
「いっつも、どれくらい客来るん?」
「・・・何でお前に言わなきゃいけねぇんだよ」
「ええやん、教えてくれても!」
「……覚えてねぇわ」
「そっか。まあ、体疲れてはるやろ」
「まーな。」
俺が来ているのは、一番遅くの時間。
多分、俺が来る前まで、
女のコを抱いて、虜にして、
・・・なんか、ムカつく。
「なぁ、ホントに男無理やんか?」
「・・・当たり前だわ。男の騒ぎ声なんて聞きたかねぇ」
「・・・ちゃう、アンタが下や」
「あ゙?」
雰囲気がガラッと変わった。
「俺は、上だ。」
やっぱ、プライド高いよな。
No.1やし。
でも、そっちの方がスリルあって、楽しいやろ。
絶対、俺のもんにしてやるからな、高嶺 塁。
No.1ホストと俺 @rinkacyan
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