第10話 死んでも治して行けという事!?



 ところで、と話がかわる。

 マローナが口を開いた。


「聞いていました? 例の話」


 彼女が言うには、近々、この近くで武闘大会が開催されるらしい。


 舞踏会ではない。

 武闘大会だ。

 血肉沸き立つ方。


 乙女の話にあがるようなネタではない。

 だが、それには訳があったようだ。


 それで、そこに出場する貴族アンドレという人間が、ヒロインのために勝利をもぎ取ろうとしてるとか、何とか。


 でも、マローナは平民のヒロインが気に食わないので、それを妨害してほしいとのこと。


 二人を合わせないようにしたり、会話させないようにしろという事か。


 私に拒否権があるだろうか。


「がっ、頑張らせてもらいますわ」


 病人に頼む話じゃないでしょうに。


 これはあれなの?


 死んでも治して行けという事!?


「貴方には期待してますわ。おほほほほ」


 期待されても困ります。


 何が楽しいのか、マローナは笑いながら退出。

 わざわざやってきたのは、お見舞いじゃなくて、頼み事だったんじゃ。


 その後、きちんとお土産を持って、家を出ていったそうだ。

 クリス談。


 一応彼が接客係に言って、仕事をしてくれたらしい。

 

 好感度1上昇。

 おまけにもう1つ上げてあげよう。


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