第9話 対面
とうとう自室に悪役令嬢マローナがやってきた。
「蛇に噛まれて倒れたんですってね、お体の具合は大丈夫かしら?」
「ええ、優秀な医者のおかげで」
とりあえず、無難な返答。
「我が家の使用人は失礼な事しませんでしたか? マローナ様のような大貴族様に」
「丁重に持て成してもらいましたわ」
を、しつつ、ご機嫌取りだ。
間違っても今寝込んでるのは、あなたのせいです、とか言ってはいけない。
一応お客様なんだから、接客係、ちゃんとお茶だしてるかしら?
お土産も持たせた方がいいわよね。
後で使用人に確認したほうが良い?
でも、マローナに気付かれずにどうやってやるの?
クリス、部屋の外にだしちゃったのよね。
この状況、何とかして。
ここで気を利かせてくれたら、好感度1あげるのに。
ああ、運動してないのに、汗かいてきた。
「マローナ様、本日は遠いところからありがとうございます。お見舞いに来てくださって嬉しいですわ」
「当然の事ですわよ。私のとりまきですもの」
やっぱりとりまき認定されてる。
一度寝て起きたら夢だったことにならないかしら。
「来週には学校に顔を出せますのかしら」
「はい。回復が順調みたいで」
できればずっと、登校したくはないけど。
あらかさまに避けるのはよくない。
だって、この人変な所で勘がいいのよね。
背後に立つだけで、近くにいるだけで、人の気配を読み取るくらいだし。
本当に人間?
野生動物って言われた方がしっくりくるわよ。
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