第4話 体調悪化




 体調がくずれると、嫌な事ばかり考えてしまう。

 毒蛇にかまれた件は、悪役令嬢に盾にされたせいだ。

 あの憎たらしい蛇、最初は悪役マローナを狙ってたのに。


 マローナが私の背中に回り込むから。

 私が身代わりに、がぶりとかまれてしまった。


 そんな事を鬱々とした気分で考えてる最中に、あの気まずいクリスとのやとり。


 心労が募って、回復が遅れるわけだ。


 そんな毒蛇&クリス事件から数日後。


 結構な心配事が発生したせいか、体調が悪くなった。

 蛇の毒から回復しつつあったのに、また病人に逆戻りだ。


 しかし、悠長に休んでいてはいけない。

 私にはなんとしても、回復して、学校に登校しなければならない理由があるのだ。


「クリス! ネギよ!」

「は?」

「知らないの? ネギは風邪によく聞くって言われてるの。私の前世、じゃなくて人から聞いた話だけど」

「はぁ、それでお料理に入れるんですか?」

「首に巻いたり、添い寝をしたりするのよ」

「は?」


 あれ?

 前世で、田舎のおばあちゃんから、そうすると良いって聞いた事があるけど。


 クリスはひどく真剣な顔になって、私を見つけた。


「絶対にやめてください」

「何でよ!」

「ネギを体にまきつけるお嬢様なんて見たくありませんよ。それに貴族のお嬢様がやる事ではありません」


 クリスは絶対にさせませんとばかりに、私を布団に押し込めた。


 いい案だと思ったのに。


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