第5話 森の中へ
チハルがヴェレを刺そうとしているのを魔法剣で受け止める。
「ユウナ、危ないからどいて……」
チハルの血剣が消える。チハルが落ち着いてくれたんだろう。
「ヴェレ!大丈夫?」
どうにか、かすり傷だけで済んでいる。
「うん、大丈夫。ヒールウインド」
ヴェレが立ち上がり、傷がなくなっている。ヒールウインドという技は、回復技なのかな。とりあえずヴェレの家に戻ることにした。
***
「そういえば、ユウナはなんで魔法の唱え方を知ろうとしにきたの?」
ヴェレに聞かれたので、魔法剣を貰ったことを言った。
「じゃあ、魔法剣で魔法を使うのどうやるか分かる?」
分からんと答える。どうやらヴェレによると普通に魔法を剣に込めるだけで良いらしい。
「それで、なんで王様から魔法剣貰ったん?」
転生してからこれまでの経緯を話して、目的が魔王討伐だと話す。
「魔王討伐ね……実は私もしようと思ってたの。だけどさ、一人だとなんか心細くて、よかったら一緒に魔王軍、倒さない?」
ということで一緒に魔王を倒しに行くことになった。
「え?魔王軍って何?」
魔王って一人でいるんじゃないん?
「え?魔王って一人でいるわけじゃないよ。魔王軍を配下にしてるの。ちなみにスライムとかだけじゃなく、人間も魔王軍についてたりするよ。というか幹部はほとんど人間なんだ」
マジか。普通に人間にも気を付けないといけないの……
「じゃあ早速、旅に出ない?すぐに魔王殺らないと、街に被害が出るかもしれないからさ」
一瞬、ヴェレの表情が曇る。魔王に強い恨みでもあるのだろうか。
***
森の中に入っていく。
「この森、抜けたら村があるはずだから行こ」
霧が濃くて前が見えない。
「迷子になりたくないから手繋ご!」
チハルが私の手をぎゅっと掴んでくる。手を繋ぐというより無理矢理掴まれ気がするんだが。ちょっと痛い。
「あれ?ヴェレいない!?」
チハルが言った。マジでいないじゃん。この霧の中で見つかるだろうか。
「きゃっ!?」
チハルが私に飛び付いてくる。どうしたのか見てみると、スライムが5匹いる。
「5匹なら二人で倒しきれるよね」
チハルが血剣を構える。
「アイスバインド」
氷でスライム1匹を縛る。そのスライムをチハルが血剣で切り刻む。
「じゃあ今度は私が縛るね、ブラッドバインド!」
チハルが縛った1匹のスライムを私が魔法剣・雷で突き刺す。スライムが感電死する。
「三連ファイアーボール!」
1匹ずつ命中する。スライム3匹が燃えて消えた。さて、ヴェレを探しに行かないと。
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