第10話星影のガーディアンとの最終決戦
最奥の扉を開けて
「……ここが最奥か」
巨大な扉をくぐると、俺たちは広大な円形の空間に足を踏み入れた。天井には無数の星が輝くような光が浮かび上がり、遺跡全体を見下ろすかのように神秘的な光景を作り出している。しかし、その静けさは不気味でもあった。
「ここに《星辰の宝珠》があるってことよね……」
アリサが剣を構えながら慎重に歩みを進める。広間の中央には、大きな台座があり、その上に輝く青白い宝珠が鎮座している。
「やっとたどり着いたんだね……でも、まだ油断しちゃダメだよ」
リーナが小声で言うのに、俺も頷いた。この場所が簡単に宝珠を手に入れさせてくれるはずがない。
「……来るわよ」
アリサの低い声に続いて、広間全体が突然揺れ始めた。台座の背後から巨大な影が現れる。漆黒の鎧をまとい、両手に巨大な剣を構えたそれは、まさに遺跡を守る最強の番人だった。
「星影のガーディアン……!」
俺たちはすぐに戦闘態勢を取ったが、その威圧感だけで全身が震えるような感覚を覚えた。
星影のガーディアンとの開戦
「行くわよ!全員気を抜かないで!」
アリサが叫び、サラがそれに続いて大剣を構えながら突撃する。しかし、ガーディアンは巨体からは想像できないほどのスピードで剣を振り下ろしてきた。
「くっ……!」
サラが咄嗟に剣で受け止めるが、衝撃で大きく後退する。その間にアリサが側面から攻撃を仕掛けたが、ガーディアンは軽々と剣を振り払い、アリサも吹き飛ばされてしまった。
「強すぎる……!」
俺は冷や汗を流しながら呟いた。星影のガーディアンは、一撃一撃が重く、動きにも隙がほとんどない。
「リーナ、何か作戦はない?」
俺が振り返ると、リーナは眉をひそめながら必死に考え込んでいた。
「ガーディアンの剣の動きは重いけど、その分、一度攻撃した後に隙があるかも……!」
リーナの言葉に、アリサがすぐに反応する。
「わかった。その隙を狙うわ!」
アリサとサラの連携攻撃
ガーディアンが再び剣を振り上げた瞬間、アリサが正面から飛び込む。その剣を受け止める形で動きを止め、サラがその隙を突いて側面から大剣を叩き込んだ。
「これでどうだ!」
サラの一撃がガーディアンの肩甲を砕く。しかし、それでもガーディアンは動きを止めない。すぐに反撃の剣を振り回し、サラが大きく後退する。
「ぐっ……!」
「サラ、大丈夫!?」
俺が声をかけると、サラは歯を食いしばりながら立ち上がった。
「まだ平気よ!でも、これだけじゃ倒せないわ……!」
アリサも息を切らしながら、剣を構え直している。
「少しずつ削るしかないわね……でも、それだけじゃ体力が持たない」
レイの決意とリーナの援護
「リーナちゃん、何かできる?」
俺が振り返ると、リーナが杖を握りしめて小さく頷いた。
「封じられた魔法を少しだけでも使えるようにしてみる……!」
リーナが必死に魔法を発動し、俺たちに力を与える魔法を放つ。身体が少し軽くなり、アリサもサラも再び動き始める。
「ありがとう、リーナ!それじゃあ、今度は俺が援護に回るよ!」
俺はアリサたちをサポートしながら、ガーディアンの動きを観察する。攻撃のパターンがわずかに読めるようになり、少しずつ隙を突けるようになった。
ピンチに陥るサラとレイの行動
しかし、戦いが長引く中で、ガーディアンの剣が再びサラを襲った。彼女がかわしきれず倒れそうになるのを見て、俺は反射的に体を投げ出し、彼女を守る形で剣を受け止めた。
「レ、レイ……何やってるのよ!バカッ!」
サラが叫ぶが、俺は息を切らしながらもなんとか笑みを浮かべる。
「……守りたかったから」
その言葉にサラは顔を真っ赤にして拳を握りしめる。
「……ふん、ありがと。でも次は……絶対に無理しないでよね!」
彼女が剣を構え直し、俺たちは再び立ち上がった。
最終局面と決着
リーナの魔法の援護で少しずつ動きが鈍るガーディアン。アリサがその隙を見逃さず、剣を振り上げた。
「今度こそ終わりよ……!」
彼女の一撃がガーディアンの胸部を貫き、その巨体が崩れ落ちる。ガーディアンが動きを止めると同時に、広間が静寂に包まれた。
「やった……!みんな、お疲れ様!」
リーナが歓声を上げ、俺たちはようやく安堵の息をつく。アリサも剣を下ろし、笑顔で俺たちを見渡した。
「本当にお疲れ様。みんながいたから勝てたわ」
サラはそっぽを向きながらも小さく呟いた。
「……まあ、悪くないチームね」
星辰の宝珠の発見
ガーディアンが消滅すると同時に、台座の上に輝く《星辰の宝珠》が浮かび上がった。その青白い輝きは、広間全体を神秘的に照らしている。
「これが……《星辰の宝珠》……」
俺が手を伸ばすと、宝珠は静かに俺たちの手に収まった。こうして、俺たちの古代遺跡攻略は成功を迎えた。
帰路につきながら
遺跡を後にしながら、リーナが明るく笑顔を浮かべる。
「私たちって本当にいいチームだね!これからもどんな冒険でも行けそうな気がする!」
サラは少し照れくさそうにしながら、そっぽを向いて呟いた。
「ま、まあ、次もあんたたちがヘマしないように見ててあげるわよ」
その言葉に、俺たちは思わず笑顔を交わし合った。
こうして、俺たちの《忘れられた古代遺跡》の冒険は幕を閉じ、次の冒険への期待を胸に、俺たちは歩みを進めていく。
エンディング
次回、新たな街での休息とさらなる冒険への準備が描かれます。お楽しみに!
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