34 暴走カーセックス
2人目の彼氏、タッちゃんはスキンヘッドでガタイの良い男だった。
でも1週間立っても全然連絡が無いので、本当に付き合っているのか、半信半疑になる。
そもそも私は彼にまだ1度しか会っていないし、別に好きな訳でもない…むこうも本気で好きそうな訳でもないし…うーん。
と思っていると、
「今から会えるか?ドライブ行こう!」
と急に連絡があり、車で迎えに来た。
やっぱり私達は付き合っているという状況らしい。
ドライブデートなんて初めてだったのでワクワクして助手席に乗り込むと、後部座席にモトキがニコニコ笑って座っていてガックリした。
「こいつが連れていけって、うるさいから…ええやろ?どこ行く?取り敢えず飯でも食いに行こか」
と言われ、車は走り出した。
日曜日の昼過ぎだったと思う。
デリヘルの商品として座る助手席と違い、横で運転している男の彼女として座る助手席は、こんなにワクワクして楽しいものなんだと、見える景色の違いに驚いた。
太陽の光が眩しくて、心地よかった。
好きな食べ物や、好きなアーティストなど、今さらながら自己紹介みたいな話しもしたが、どうしても、話題は先週の6Pに流れて行った。
「いやぁ、あれはスゴかったわ。思い出したら勃ってきた…ちょっと触って!」
と言われたので、
「え!今ですか?本当に?!」
と驚いて返すと、
「ウソや、ウソ!」
とタッちゃんは笑ったが、なんか面白そうなので、ちょっと触ってあげることにした。
そう、ちょっとのつもりだった。
だけど、なんだか止まらなくなってしまい、チャックを下ろし直に触り、口に含む。
「いや!マジか?!お前、ホンマにヤバいなぁ!!」
と今度はタッちゃんが驚いていた。
「うわぁぁ!エロいって!エッロォ~!!」とモトキが叫ぶ。
2人の反応が楽しくて、わざとエロい音と、声を出して遊んだ。すると、
「ちょっ…あかん!我慢出来ひん…モトキ運転代わって!」
と赤信号で車を停めタッちゃんは急に立ち上がり、私の手を引いて後部座席に移動した!
「いや、急に無理やって!」
とモトキ、
「早よしろ!青になんぞ!」
とタッちゃん。
案の定、モタモタして青になりクラクションが鳴り響いた。
モトキが急いで車を出す。
タッちゃんも急いで私の服をめくり、パンツを脱がせ、挿入する。
6Pの次はカーセックス。
しかも国道を普通に走りながらとは…。
ヤバいなあ…楽しいなぁ…と思っていると、
「うわっ!マジか!タッちゃん後ろ見てみ!」とモトキがまた叫ぶ。
「えぇ?!うわ…マジか…最悪…」
と今度はタッちゃんがため息をついた。
次の瞬間、爆音と笑い声が聞こえ、複数のバイクが左右に付けて、男達がコチラを見て笑っていた。
もしや暴走族ってやつ?と背筋がヒヤっとする。
「え!コレってヤバいやつ?」
とタッちゃんに聞くと、
「そうそう、ヤバいやつ!」
とニヤッと笑って窓を開けた。
「先輩!良いことしてますねぇ」
といかにも不良な金髪の男が、車内を覗き込む。
「おぉ、ええやろぉ。お前ら何してんねん」
とタッちゃんが言うと、反対の窓から、
「いや!先輩こそ何してるんっすか!」
と声が聞こえた。
どうやら彼等はタッちゃんの後輩で、ヤバくは無いようでホッとした。
と同時にこの瞬間、私に対するタッちゃんの気持ちを悟ったような気がして切なくなった。
「ちょっ!見んなや!」
とパンツをあげて、自分のお尻は隠そうとしたのに、私の体を彼等から隠そうとはしてくれなかった。
こんな私だって、不特定多数の人に体を見られるのは普通に恥ずかしい。
本当に自分の女だと思っているなら、他の男に見せたくないと思うはずなのにそうでもないようだ。
彼等は10分ほど並走して、横道に消えて行った。
その後、3人でご飯を食べ、モトキは帰り、2人でタッちゃんの家で、またセックスをした。
それは至ってノーマルでつまらないセックスだったが、スキンヘッドから続く太い首と、もはや甲羅みたいに固くて分厚い背中はとても魅力的で、このまま付き合いが続けば、お互いに本気で好きになることもあり得るかもと思えた。
が…それからまた、ずっと連絡はなかった。
2週間後、ワタルとユカリちゃんそれぞれの友達と合コンをしていると、
「お前、今、合コンしてるんやって?」
とタッちゃんから連絡があった。
何で知っているのかと思ったら、どうやらこの合コンの発案者でユカリちゃんの友達のマナミと言う女に聞いたらしい。
「えっ!言ったらヤバかった?ごめ~ん」
とマナミが舌を出して笑っていた。
そういえば前にマナミはタッちゃんを狙っているとユカリちゃんに聞いた事があった。
どうやらハメられたらしい。
マナミに腹は立たなかった。
正直めんどくさいだけだった。
「はい。合コンしています」
と素直に答えると、
「オレが居るのにそんな事していいと思ってるん?そんな女無理やわ。もうええわ」
とタッちゃんは言い…終わった。
男と付き合うのは、めんどくさい。
もう当分は、本当にごめんだと思った。
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