第3話
### 第一章(続き)
そんな中、彼女が配信活動をしている男性と会う約束をしていることを知ってしまった。私の心は一瞬で冷え込んだ。配信活動をする上で、異性とは会わないでほしいと何度も伝えてきたし、直接のやり取りも禁止されていた。それなのに、彼女はポコチャの規約も無視して、その男性に会うことを選択したのだ。
「浮気じゃないから!」彼女はそう叫んだ。目は興奮で輝いていて、私に向けられた言葉は冷たかった。「稼がなきゃいけないの!邪魔しないで!」その瞬間、私の胸には怒りと悲しみが渦巻いた。彼女の言い分は理解できないわけではなかったが、私の気持ちを全く考慮していないように思えた。
次第に彼女の興奮は高まり、私の稼ぎが少ないことを持ち出してきた。「あなたがもっと稼げば、私はこんなことしなくて済むのに!」と、まるで私の責任であるかのように非難してきた。私の心は、彼女の言葉に傷つきながらも、何とか冷静さを保とうと必死だった。
しかし、興奮が収まらないのか、彼女は近くにあったテレビのリモコンやスマホを私に投げつけてきた。リモコンが私の肩に当たり、痛みが走ったが、それ以上に驚きと悲しみが心を占めた。さらに、彼女は私の足を蹴る行為に出た。彼女の行動は、もはや私の理解を超えていた。
「どうして、こんなことをするの?」と問いかけると、彼女は一瞬だけ立ち止まり、何かを考えるような表情を見せた。しかし、その後すぐにまた激昂し、私の言葉を遮るように叫び続けた。彼女の心の中には、私への不満や怒りが渦巻いているのだろう。
このままでは、私たちの関係は壊れてしまう。彼女が本当に必要としているのは、私の理解や支えではなく、自己主張と自由なのかもしれない。だが、私もまた、家族としての絆を守りたいと思っていた。
「お願いだから、冷静になって話そう」と、私は声をかけたが、彼女の耳には届かないようだった。今、私たちの間には、言葉では表せない深い溝が広がっている。
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