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この世界を取り巻いているのはもっと広い世界らしい。そこには他にも大地があり、大きな昼の星も沢山ある。


こうした昼の星はフィクスドスターと呼ばれ、巨大な質量と高温を持ち、気体からなっている。


意外なことに夜の星もこのフィクスドスターで、昼の星よりも遠い場所にあるため、昼間は昼の星に遮られて見えないらしい。


しかし昼の星が見えない位置に大地が移動する、夜の時間だけは夜の星が現れる。これが昼と夜の原理らしい。


「つまり、この大地は昼の星を中心に回っている?」


「その通り。夜の星にはもう少し種類があってね。例えば夜一番大きく見える星。


あれはこの大地の周囲を回るサテライトっていって、見えない昼の星の光を受け取って光り輝いているんだ。


例外にあたる星は他にもあってね。夜になったらまた紹介するよ」


 空を見上げても見えるのは白くなっている夜一番の星と直視できない昼の星。


しかし夜になると、正確には太陽にこの大地が背を向けると、その景色は一変する。不思議なものだ。理屈を教えてもらったところで、全てが分かったような心地はしない。


 動物を効率的に狩る方法も、腐っていない木の実の見つけ方も、理解してしまえばそこでおしまいだった。


しかし、この空やその先に広がる、"星の人"がスペースと呼んだ空間はまだ私も、"星の人"も知らないような法則や景色で溢れているのではなかろうか。


私がそう尋ねると、"星の人"はそうだと思うよ、とはっきりしない答えで返した。


「俺も空の事だけなら知らないことは沢山あるし、全てを知っているとも思ってない。


そもそも、自分の生まれに関する記憶もないんだから、語れることなんてたかが知れてるよ」


 やはり"首長"の話は本当らしい。ある日、流れ星を見てその方向へ歩いて行ったところ、鮮やかな青い髪の青年が歩いてきた。それが"星の人"だと。


「この大地にこうして人が暮らしているのなら、スペースという空間に別の大地があってそこで人が暮らしていても不思議ではないんじゃないかと思います。


もしかしたら、そういうところからお越しになったのかもしれませんよ」


仮説というにはあまりにも根拠のない話をしてみる。


だが、この大地の人間ではないとしたら、"星の人"の赤みが強い肌も明るい青をした髪も、全ての説明がついてしまう気がする。


「それはないよ。俺はこの大地に生きてるんだから。絶対に」


その言葉だけは、"星の人"にしてはどこか推測任せだったことを覚えている。

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