第10話:それってヤキモチ?ジェラシー?
ある日の日曜の朝のこと。
朝ご飯のあと、
なんだか今一が転勤になるらしい。
で、家族では行けないから今一だけ単身赴任になったみたい。
だから今一だけ、朝早くに先方に行ったらしい。
「週ちゃん・・・お母さんお父さんの転勤先まで行って来るから・・・」
「だから今日中に帰って来るのは無理そうだからね、今夜向こうに泊まる
ことになると思うのね・・・だからお留守頼むわね」
「ご飯はスーパーかコンビニでお弁当でも買って食べて〜」
「週ちゃん、聞いてる〜?」
「聞こえてるよ・・・気をつけてね?」
「久しぶりに夫婦水入らずじゃん・・・楽しんできてね」
「なに、呑気なこと言ってるのよ・・・ほんと久しぶりな気がするわ」
「週ちゃんこそ、エッダちゃんの襲われないようにしなさいよ 」
「あの子、あなたの見るたびにエッチ、エッチ言ってるんだから」
「大丈夫だよ、俺だって男だから・・・自分のことは守れるから」
「何を守るのシューちゃん?」
「エッダ・・・あ〜なんでもない・・・」
「明日香ちゃん、綺麗な格好してどこかに出かけるの?」
「今一が単身赴任だってよ」
「なにそれ?」
「しばらく家に帰ってこないの・・・遠くへ行っちゃうんだよ」
「え〜イマイチ〜いなくなっちゃうの・・・もっと早く行ってくれたら
エッチさせてあげたのに・・・」
「お〜い・・・言うに事欠いて・・・貞操観念のない女だな」
「エッチできたら誰でもいいのかよ?」
「あはは、言ってみただけ・・・私、そろそろムラムラしてきたし・・・」
「それじゃ〜行ってくるから、あなたたち留守番頼むわよ・・・」
「おう、気をつけてね、いってらっしゃい」
明日香ちゃんは忙しなく玄関から出て行った。
週はこの時点でエッダがまじで好きになっていたから、誰かとエッチしたい
なんて彼女に言われたらヤキモチで気がおかしくなりそうだった。
「エッダ、はっきり言っておくけど、冗談でも誰かとエッチしたいとかって
言わないでくれる?」
「シューちゃんそれってヤキモチ?ジェラシー?」
「そんなんじゃないけど・・・」
エッダに心を見透かされた週はなにも言えなかった。
自分の気持ちをはっきりエッダに告ろうか?・・・いやそんなことしたら、
まじでエッダを抱きたくなる。
週は最初エッダのエッチでイケイケな態度にたじろいだこともあったけど
今は一緒に生活するうち情が湧いてしまったのだ。
週にとってはエッダは、なにもしなくてもそばにいるだけで可愛い存在。
要するにエッダには計算がない・・・自分に正直に生きてるだけ。
エッダは平日、週が学校に行ってる間テレビに夢中になっていたけど
今日は週がいる。
ふたりっきりになれたことがエッダは嬉しくてしかたなかった。
週は今まで家の中では、ほぼエッダとふたりっきりになることはなかった。
いろんな意味で、チャンスだったかもしれない。
ふたりっきりになったエッダは週をからかってやろうと思った。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます