第8話:ヒマ・・・退屈。
エッダは
「美味い、これ・・・まじこで美味しい・・・」
「そうよかった、気に入ってくれて」
「あなた、
「あ〜・・・ごめんごめん・・・あはは」
「笑ってごまかさないの」
「おじさん、私が珍しい?」
「おじさん?」
「おじさんじゃなくて・・・今いちだよ・・・いまいち」
「それが僕の名前ね、で、ついでに言うと
「君が珍しいってわけじゃなくて君みたいなね・・・」
「なんて言うか若い女の子が家にいると、ちょっとドキドキするかな・・・」
「新鮮って言うか爽やかって言うか」
「あ〜いやね、うちは
「いたら、もしかしたら君くらいかなって思って・・・」
「だから週がうらやましいよ、君みたいなエッチい子がガールフレンドで」
「あなた、私がいるのになに言ってるの、それって大問題よ」
「あはは、な〜に言ってみただけだよ・・・」
「ふ〜ん、シューちゃんは一人っ子なんだ・・・」
「あ、おじさん、じゃなかった・・・イマイチ?」
「イマイチ〜・・・私、名前エッダって言ってダークエルフだよ」
「ちょっとエッチいけど、改めてよろしくね」
「エッチいのは分かるわ・・・だけどダークエルフってのは知らないな」
「イマイチがこの家の親玉さんでしょ?」
「親玉って言うか、主人だけどね、明日香ちゃんの尻に敷かれてるからな
どうかな・・・」
「私、当分この家にお世話になるつもりだけど、いいでしょ?」
「ああ・・・それはいいと思うけど・・・ってか僕には決定権ないと
思うんだよね・・・だから好きにしてくれていいと思うよ」
「情けない親玉なんだね?」
「そうだね、我が家じゃやっぱり親玉は
「あなた・・・なに言ってるの?」
「冷静に判断してのことだよ・・・明日香ちゃんのほうが僕より強いでしょ?」
「ところでさ、エッダちゃんはダークなんちゃらって言ったけど、その髪の色
とか尖った耳とか?・・・それコスプレ?
コスプレイベントとかに出るの?それともどこかの店のバイトとか?」
「コスプレでもないし・・・バイトでもないよ」
「まんまダークエルフだよ・・・ったく・・・イマイチ〜ファンタジー知らないの?」
「ん〜〜〜〜ま、本はもっぱら推理小説しか読まないからね・・・」
「そう言った類のモノノケには会ったことないね」
「もののけってなに?」
「モノノケは、モノノケ・・・日本だと魑魅魍魎、妖怪、鬼のことかな?」
「私は化け物じゃないからねイマイチ〜・・・」
「あ、ごめん可愛い悪魔なんだよね・・・でもさエッダちゃん、こっちの
世界に来たってことは何か深い事情がありそうだね」
「悪魔でもないわ・・・ダークエルフだって言ってるでしょ、イマイチ〜」
「それに深い事情なんかないよ、私はシューちゃんを人間界に帰してあげた
だけだよ」
「ジェネレーションギャップだね、イマイチ〜ちょっとズレてるよ」
「いやそれは僕が無知なだけでジェネレーションギャップとは関係ないでしょ?」
今一は思った。
人間以外でも若い子とコミュニケーションを取るのは難しいなって。
とくにKYなおじさんには難しい。
普通の人間にはダークエルフなんて言っても伝承伝説の中だけのキャラだから。
学校へも行かない仕事もしない、家でプラプラしてるだけの異世界から来た
女子・・・。
ここでは自分がする仕事もないし、
エッダが・・・思うわけがない。
だけど
親の顔を知らないエッダはその温もりが大好きだった。
他人でも誰かがそばにいてるくれるって幸せなことなんだって・・・。
だからエッダは明日香ちゃんの後ろを金魚のウンコみたいについて回った。
で、明日香ちゃんを質問攻めにした。
人間の世界のことなんか、あまり知らないエッダだったから明日香ちゃん
の言うことやすることに興味を持った。
だけど、やっぱり
「明日香ちゃん、シューまだ帰って来ないの・・・退屈・・・」
「エッダちゃんヒマなら私とスーパーに一緒にお買い物に行く?」
「いいけど・・・スーハーってなに?」
「スーハーじゃなくて、スーパー・・・スーパーマーケットって言うの」
まあ、人間界に来るのが夢だったエッダだったけど、どこかへ行きたい
って思っても
そもそもエッダが人間界に期待した楽しいことってのを経験したいなら街に出て
イベントに参加して楽しいを体験吸収していかないいけないわけだけど、きっと
ひとりで家を出ちゃったら迷子になるって思った。
一応、向こうの世界でも学校や買い物にはバスに乗ってたんだから行こうと
思えば行けるんだろうけど・・・でもやっぱり
だから当然のようにエッダは週に依存していた。
娘が欲しかった今一は、なんの抵抗もなくエッダを家族として受け入れた。
受け入れたと言うかファンタジーな子でも、もう自分の娘でいいやって思っていた。
つづく。
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