第7話:ハグしてチューして。

結局、明日香あうかちゃんの目があったから僕とエッダは別々に風呂に入って

別々に寝た。


次の朝、僕は当然学校へ復帰したから、エッダのことが気がかりだったけど

いつまでも学校を休む訳にも行かなかった。


昨夜、風呂から上がったエッダに寝る前に僕のパジャマを彼女に着せた。

男物のパジャマなんか着せると、ぶかぶか加減がめっちゃ可愛すぎる。


マイクロビキニを脱いでパジャマを着てるからパジャマの下はないもない。

想像しちゃって、ちょっとヤバいかも。


僕が学校へ行ったあと明日香ちゃんはエッダを普通の服に着替えさえないまま

だったから僕が学校から帰って来た時でもエッダはまだパジャマのままだった。

僕が帰ってきたと同時にパジャマを脱ごうとするからびっくりだわ。


「早くエッチ」


「しつこいねエッダ」


ダークエルフってのは裸になって人に見られて恥ずかしいって概念がないん

だなきっと・・・。

まあ、パジャマのままでも裸同然でいられるよりはマシか。

家の中で髪をツインテールにしてると尖った耳以外は人間の女の子と変わ

らない。


僕が土・日以外は毎日学校へ行くって知ったエッダは、イヤだって駄々をこねた。

機嫌悪そうに僕の袖を引っ張ってイヤイヤした。

僕がいないと心細いって・・・。


「あのね、エッダも向こうで学校へ行ってたんだろ?」

「僕だって同じように学校に通ってるんだよ・・・そのへん分かるよね?」


エッダはしぶしぶうんってうなずいた。


「分かったら袖、離してくれる?」


「じゃ〜ハグして」


「あ〜ハグね・・・いいよ」


今更もうエッダとハグすることに抵抗がなくなってる。

って言うよりむしろ率先してハグしたいくらい。


「じゃ〜おいで」


僕はエッダをハグしてやったらほんの少し機嫌がよくなった。

ほんの少しね。


「じゃ〜行ってくるから」


「あん、待って?・・・いってらっさいのチュー、おまじないだよ」


そう言ってエッダは僕に迫ってきた。


「チューね・・・」


チューも率先してやりたい・・・おまじないのチュー、僕とエッダの

ルーティーンになりそうだ。


「つうか今一いまいち明日香あすかちゃんに見られてるし・・・」


いつのまにか今一が帰ってきていた。


今一「父親」と明日香ちゃんは、なにも見てませんよ〜的に別の方を向いた。

実は仕事から帰ってきた今太郎は昨夜のうちに明日香ちゃんからことの詳細を

聞かされて、びっくりぽんだったらしい。


「ふたりに見られててもいいの・・・シューちゃんと私、愛し合ってるんだ

から・・・」


「愛し合ってるって?・・・いつ、どさくさに紛れてそんなことになったの?」


「私が一方的に決めたの・・・シューちゃんに選択の余地なし」


「あなたたち、早くチューしないと週が学校遅刻するわよ」


そう言われて僕はエッダのさくらんぼのようなクチビルにチューして

ウハウハで学校に出かけようとしたらまたエッダに呼び止められた。


「ハグとチューしちゃったらエッチしたくなっちゃった・・・」


「あのね、まだ朝だけど・・・それにそんなことしてる時間ないから」

「が〜ま〜ん〜・・・いい子だから・・・」

「学校から帰ったら、そこことについてもじっくり話し合おう」


なんて適当なことを言って誤魔化した。

だけど、そんな迂闊うかつなことを言ったことを、僕はあとで後悔する

ことになるんだ。


「分かった・・・私、自分で処理する・・・」


「あのね」


「いいよ・・・ごめんね、私のせいでシューちゃんが困るのは私も困るし・・・

気にしないでいってらっさい・・・あ、も一回チューする?」


僕は学校へ行ってもエッダのことが気になって授業も身に入らず彼女の唇の

感触を思い出してはニタニタしっぱなしだった。

女の子のクチビルって柔らかい・・・月曜日から金曜の朝はかならず

エッダのチューで見送ってもらえるんだ・・・そう思うと学校へ通う楽しみ

が増えた。


さてしゅーが学校へ行ってしまうと、たちまちヒマになるエッダ。

だから、はじめて会う父親、今一を珍しそうにジロジロ見ていた。


今一は女子高生くらいのギャルを目の前にしてドキマギしまがら鼻の下を

伸ばしていた。

相手が人間じゃないとしても、そんな年頃の娘なんて相手にしたことないから・・・。


男はいい歳をしても若い娘や女子高生には弱いんだってことを物語っていた。

相手がファンタジーなエッチい娘であってもね。

エッダが着てるちょっとだけブカいパジャマも今太郎の心をくすぐった。


か、可愛い・・・。


つづく。


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