第2話 面接はやり直せない

 現在、恐怖のどん底に落とされている。みんな魔王砲におびえています。

……ということで、魔王くんのシフトを減らすため、新しい人を雇うことにした。

本日は面接日だ。桜が舞い散るこの季節、私は誰かの不祥事を回避して、明日を迎えることができるのだろうか。


 チャランチャラン。


「こんにちは、ようこそおこしくださいました。」


「こんにちは。本日、面接をさせて頂きます。マルディグラ=クリスティーンです。」


 精霊を携えているナイスバディな金髪碧眼美少女がきた。


「……。」


「……。」


(ものほんの冒険者キタァァァァァァァァァァァァ!)


「どうぞ、おかけ下さい。」


「はい!失礼します。」


「それでは、さっそく面接を……。」


「ここはなにも出してくれないの?」


「は?」


「カフェなのになんも品を出さないとか、さすが、不祥事カフェですね。」


マルディグラは、机を指先でなでる。


「それに、テーブルも汚い。ちゃんと拭いてるの?」


「……いやあの。」


「壁にある絵画なに?センスもない。」

「この流木はなんの意味あるの?」

「この照明窓側にした意味は、反射してアンティーク感がない。」

「珈琲豆は鮮度が命。それなのに入口近くで珈琲を挽く?風が入りこんで、温度は下がる。酸化もするでしょ?」

「これも、これも――。」


「……もうやめてください。」


 私はメンタルをクラッシャーされた。


「そうですね。面接をしましょうか。」


「お引き取りください。」


「そう。」


 指をパチンと鳴らす。


「リスタート。」


 すると、彼女は精霊に向かって呪文を唱えた。すると、辺りは真っ白い光に包まれた。


「うわ!なんだこれ!?」


◇◆◇◆

テイク2


 現在、恐怖のどん底に落とされている。みんな魔王砲におびえています。

……ということで、魔王くんのシフトを減らすため、新しい人を雇うことにした。

本日は面接日だ。桜が舞い散るこの季節、私は誰かの不祥事を回避して、明日を迎えることができるのだろうか。


 チャランチャラン。


「こんにちは、ようこそおこしくださいました。」


「こんにちは。本日、面接をさせて頂きます。マルディグラ=クリスティーンです。」


 精霊を携えているナイスバディな金髪碧眼美少女がきた。


「……。」


「……。」


(ものほんの冒険者キタァァァァァァァァァァァァ!)


(ん?このやりとりデジャヴがあるな。)


「どうぞ、おかけ下さい。」


「はい!失礼します。」


「それでは、さっそく面接を始めます。」


「はい。よろしくお願いいたします。」


「まず、お名前と特技、趣味……あなたの人間性をみせて下さい。」


「はい。マルディグラ=クリスティーン、20歳です。特技は転生。趣味はエロゲーです。」


「うん。私はすでにその点は免疫がついてるから驚かないぞ。」


「あ、もしかしてマスターもお好きなんですか?どんなジャンルがお好きで?」


「逆、ンン!」

「面接官に質問は自分からしないでね。面接やっている人間なんて大抵プライド高いから減点されるよ。他ではしないでね?」


おっと、心の声がもれてしまった。彼女はおかいまいなしに話を続ける。


「私は、ハーレム系ですね。」


「君の人間性はよくわかりました。さて、次の質問です。どうしてここを応募したの?」


「なんとなくです。」


「うん。嘘をつかない姿勢は感心するけど、目の前で言われると傷つくな。」


「はぁ」


 生意気だなこのアマぁ!


「はい。それでは最後の質問です。その隣の精霊は何?」


「ガルーラシアンです。」


「なんでそこにいるの?なんで見えてるの私。」


「シックスセンスがあるんじゃないでしょうか。」


「第六感か……。えっと、その精霊は、バイトのときには同伴させないよね?」


「いえ同伴させます。マスコットで人気になりますよ。」


「マスコットでも無理あるわ!鋭利な爪と牙!どこから出てきたその竜巻!子供たちびびって逃げ出すわ!」


「成人向けマスコットでいきましょうか?」


「なぞの提案だな。あーもう却下だ、却下だ。あのさ、さっきから君態度悪い―。」


 指をパチンと鳴らす。


「リスタート。」


 すると、彼女は精霊に向かって呪文を唱えた。すると、辺りは真っ白い光に包まれた。


「うわ!なんだこれ!?」


◇◆◇◆

テイク3


 現在、恐怖のどん底に落とされている。みんな魔王砲におびえています。

……ということで、魔王くんのシフトを減らすため、新しい人を雇うことにした。

本日は面接日だ。桜が舞い散るこの季節、私は誰かの不祥事を回避して、明日を迎えることができるのだろうか。


 チャランチャラン。


「こんにちは、ようこそおこしくださいました。」


「こんにちは。本日、面接をさせて頂きます。マルディグラ=クリスティーンです。」


 精霊を携えているナイスバディな金髪碧眼美少女がきた。


「……。」


「……。」


(ものほんの冒険者キタァァァァァァァァァァァァ!)


繰り返すこと100回。


◇◆◇◆

テイク101


「……もう君……。採用でいいよ。」


「ありがとうございます!」


「なんで記憶も引き継げちゃうのその能力。脳みそバグってきたよ。」


「周囲の人間も巻き込んで時間戻りができるのが私の能力です。」


「ありそうでなかった能力だね。」


「はい!……マスター私はいつから出勤ですか?」


「いやこな―。」


「り」


「もうやめて!」


「はい。チッ。」


「明後日でいいよ。持ち物は、住民票と印鑑でいいから。」


「はい!。


「もう帰っていいよ。」


「ありがとうございます。御社では、やり直しを活かして何度も繰り返して仕事覚えますね。」


owata……。


「それでは、失礼します!」


「はい。」


 そして、3日後、マルディグラ=クリスティーンの書類の性別をみて驚愕する。


「男かいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」










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