第14話
「ふふ、すごく、溢れてるね」
それが堪らなく恥ずかしくて、情けなくて、申し訳なくなった。
「ねえ、悠。こういう事は羊子にしてもらった?」
「へ? や、や、だ、だめ! 永遠、そんなっ……! あっやぁっ……!」
永遠の綺麗な顔が私の秘部に近付いた。慌てて永遠の頭を押さえたけど、永遠は強引に私の秘部に唇を寄せた。
永遠の熱い舌が私の硬く芯をもった秘部の中心を舐める。
舐めてはグリグリと舌先で押し潰したり左右に揺らしたり、そんな所、汚いからやめてって言いたいのに口から出るのは悦びの声だけ。
「ねえ、きもひいい?」
「あっあんっ……き、きもち……っ、んあぁ……」
永遠が嬉しそうな吐息を漏らした。
秘口から溢れ出る私の蜜を舐め取り、わざとやっているのか、じゅるじゅると音をたてて私の羞恥心を煽る。
それがまた快楽への呼び水となって、私は訳が分からなくなる。
突っぱねようと永遠の頭に置いた手はもう意味をなさない。永遠は私に一生懸命奉仕してくれている。
「やぁっあっ。永遠っ永遠ぁ……!」
気持ちいいのが怖くて縋るように伸ばした私の手を永遠が握ってくれて、その事実に私はすごく安心して満たされた気持ちになった。
「あっあぁ、イクっ……!」
ビクビクと体が痙攣して、私は高みに連れられていく。息が苦しくて全力疾走したみたいに心臓が早くて、でもその気怠さが心地良い。
絶頂を迎えた後の私は指一本動かせない。額に貼り付いた髪の毛を永遠が優しく除けてくれる。
その手付きはさっきまでの行為のような、いやらしさなど微塵も感じさせなくて、ただただ純粋に私を慈しんでくれているのが伝わる触れ方だった。
「悠、……可愛い。好き。昔からずっと、……これからもずっと好きだよ」
そう言って、はにかむような笑顔を見せる永遠は今までで一番綺麗で誰よりも可愛かった。
胸の奥がぎゅーっとして、絶頂の後、ようやく鎮まりそうになった心臓の鼓動がバクバクと音を鳴らす。
心の奥底に鍵をしめて閉じ込めたはずの気持ちと、それに伴う思い出が溢れ出そうで苦しい。
溢れ出そうな気持ちと、こんな事はダメだって気持ちが反発し合って、とうとう私はキャパオーバーになってしまう。
何も解決しないと知りながらも襲い来る暗闇に私は身を預けてしまった。
※
小さな小さな女の子。
いつも行く公園の隅っこのベンチに座って泣いていた。
お正月でもないのに綺麗な着物を着ている。
顔を伏せて目をグシグシ擦りながら小さな嗚咽を漏らす。
その度に頭の後ろの真っ赤で大きなリボンが揺れた。
「大丈夫?」
私の口から出た私の声は幾分か高くてあどけなくて、ちょっと不思議な気持ちになったけど、泣いている女の子の方が心配だった。
女の子はビクリと体を震わせると恐る恐る顔を上げた。
大きな瞳から大きな雫が音もなく溢れ落ちる。
子ども特有のふっくらして白い頬と薄く紅を差したような頬。
将来、絶対に美人に成長する事を予感させる整った容姿に私は息を飲んだ。
「……っ、かわいいっ!」
「へ……?」
「きみ、すごくすごくすご〜く、かわいい! おおきくなったら、わたしのおよめさんにならない? てか、ぜったいぜ〜ったいおよめさんにするっ!」
確かに可愛いとは思ったし将来美人さんになるだろうと思ったけど、私は一体何を言っているんだ!?
自分の事なのに全く制御出来ない自分に私は慌てふためいて、突然「あ、これ夢?」と気付いた。
な〜んだ、夢か。って夢の中で安堵して、夢だという自覚があるにも関わらず、夢から覚める気配はない。
仕方なく私は第三者になった神視点の気分で事の成り行きを見守る事にした。
このチャラさの反映はどことなく自分っぽいのがまた夢って感じがする。知らんけど。
「えっと……」
突然のプロポーズ(?)に泣いていた女の子は困っている。だけど涙は止まったみたいだ。
私(仮)はポケットからハンカチを出すと、涙で濡れた女の子の頬を拭いてあげる。
「……へへ。涙止まったね!」
「……!」
「あ、おなまえをきくのわすれてた! わたしはねー、サクラマチようちえんのねんちょうさん、バラぐみ、みぬまゆう! だよ! きみのなまえは?」
うん。私(仮)から私に訂正……。
夢の中でも私は私だった。よく分からない展開に引き続き私(神)は私と女の子の見守りを続ける。
「……き……わ」
女の子は小さな声で自己紹介をした。私(神)は上手く聞き取れなかったけど、私は聞き取れたようだった。
「……ちゃんっていうんだね! ふふ。かわいい! もういっかいいうけど、わたしのおよめさんになってくれる?」
女の子は少し視線を
「およめさんに……なってもいいけど……でも、おんなのこどうしはけっこん、できないよ……?」
「なんで?」
「ほうりつで……」
「ほうりつってなぁに?」
私(神)は心の中で「あいたた……」と思いながら、私の首が可愛らしく、コテンと傾げるのを感じる。
この私はどうやら法律とかそういうのが分からない年代のようだ。
先程、女の子の涙を拭くためにハンカチを握った手は女子高生である私(神)の手よりもウンと小さな手に感じたのを思い出す。
「よくわかんないけど! ずっといっしょにいたいから、……ちゃん、わたしとけっこんしよ!」
その言葉に女の子は
でも、理解しない私に対して次第におかしくなったのか、女の子はクスクスと笑いだした。
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