第13話
二回(?)も羊子ちゃんとエッチをしてしまった翌朝。
私が起きてからの羊子ちゃんはすっかり甘やかしモードになっていた。
何もかもいたれりつくせりで、朝ごはんだって「あーん」してくれたり目が合えば甘く微笑まれたり、とにかく理想の恋人同士って感じだ。
だけど泊まる準備なんかしていなかった私は着替えをする為に(お風呂は借りた)泣く泣く羊子ちゃんの家から帰宅する事を決意。
「また、泊まりに来てくださいね」
帰り際、羊子ちゃんが甘く囁いて、ちゅっと音をたててキスをしてきて胸がドキドキしっぱなしだ。
何だか夢のような一夜で、ふわふわした気分で帰宅する。
部屋へ到着すると私はコーヒーテーブルの上に荷物を置いて、すぐに着替えを済ませるとそのままベッドへダイブ。
頭がポワポワして何も考えられない。
荷物を整理して明日の学校の準備をするのも億劫だ。
某たまごのキャラクターよりも、ぐでっとしている。
表情まで似ているかもしれない。あー……だりぃ……。
とてもじゃないけど今の私の姿は世の女の子たち、特に羊子ちゃんには見せられない怠惰っぷりだ。
こういう姿を見た事をあるのは私の家族と
少し呆れながらも私のそういう姿も許容してくれていた永遠。
………………私たちはもう友達には戻れないのかな。
一人で家にいると余計な考えがぶり返す。
私と永遠は幼なじみで認めたくないけど大切な友達。
私たちは恋人にはなれない。なりたくない。
ピンポーン。
インターホンが鳴る。オートロックのエントランスをスルーしてここまで来れるのは家族とアパートの住人とそして……。
私はインターホンのTVモニターを確認する事なくドアを開けた。不用心ではあるけど相手が誰だか分かっていたからだ。
「永遠……」
「……お邪魔してもいい?」
「…………いいよ」
そこには予想通り永遠が立っていた。金曜日の夕方会った時よりも幾分か顔色が良くなっている。
「体調、もういいの?」
「ええ、おかげ様で。お見舞いありがとう」
「そう。……なら良かった」
ギスギスしてる訳でもないけど、何となく居心地が悪い。
それに私はもう羊子ちゃんと一線を越えた。だから余計に気まずく感じる。
「……本当は昨日一度来たの。直接、顔を見て話したくて。今日は会えて良かった」
「昨日は……」
言いかけた言葉を飲み込んだ。本当の事を告げれば、きっと永遠は傷付くだろう。
「私、もう悠と友達ではいたくない」
永遠からハッキリとそう言われるのは初めての事だった。妙にスッキリした表情の永遠は真っ直ぐ私の目を見つめている。
「この関係を終わらせに来たの」
「終わらせにって……」
永遠の決意は固そうで、胸がズキズキと痛む。
さっきまでの幸せな気分との落差が酷くて、感情がジェットコースターみたい。絶叫、とまではいかないけど叫び出したい。
私たちはもう友達には戻れない。
こうして顔を突き合わせる事ももうないし、他愛もない事で喧嘩(?)したり気軽に話したり出来ないんだ。
そう思ったら何だか鼻の奥がツンとして、目の端がじんじんと熱く痺れる。
友達でいたい私と恋人になりたい永遠。
どうしてこんなにも上手くいかないんだろう。なんで分かり合えないんだろう。
「だから、もう……遠慮はしない」
今にも泣きそうな私の耳に入ったのはよく分からない言葉。
永遠が立ち上がってベッドに腰掛ける私の肩に手を置く。
そして優しい眼差しで私に微笑む永遠が私の唇を奪った。
「な、んで?」
「言ったでしょう? もう遠慮はしないって」
予想にしなかった永遠のキスに理解が追い付かず、呆けていた私の首筋に永遠が口付ける。
「ここも、全部全部、悠は私のものなの」
「永遠、やめて……!」
強く抱きしめてきた永遠の体はびくともしない。私が
「ひゃうっ……!」
服の中に潜り込んだ永遠の冷たい手が私の小さな胸の突起を摘まむ。
私が思わず自分の口を両手で塞げば、永遠はこれ幸いと言わんばかりに私の胸の突起を摘んで指先で転がす。
羊子ちゃんとの一夜を過ごした後の私の体はすっかり快楽に従順になってしまっていて、胸の突起を触られるだけで体が跳ねて声が漏れてしまいそうになる。
口を押さえているから上手く呼吸も出来なくて、気持ち良くて、頭の芯が痺れて思考回路が上手く機能しなくなってきている。
永遠の手が、唇が、私の体と心を弄ぶ。
永遠の手が私のショーツへと潜ってくる。永遠の手はもう冷たくない。
「だ、だめっ! 私、もう羊子ちゃんと……!」
寸前の所で声を上げることの出来た私。
その声に永遠の動きが止まって、私は少しだけホッとする。私がもう羊子ちゃんと一線を越えていると知ったらやめてくれるだろうと期待する。
「……分かってたよ。でも、いいの」
そう言った永遠の表情は長い髪で見えなかった。止まったのは一瞬だけ。永遠の手は迷わず私の下生えを越えて秘部へと到達した。
「や、やっあぁっ……!」
「悠、たくさん濡れてる……。可愛い」
どこか恍惚としたような声色の永遠。永遠からもたらされる快楽に私の思考は溶かされる。
悲しくて、切なくて、気持ち良くて、……そして。
蓋をしたはずの気持ちが少しだけ顔を覗かせて、気持ち良さに流されて迷子になった。
「あっあっ、やっあっ……」
「悠、悠……、見せて、ここ」
「やだっ……ああっ」
着ていたものを脱がされて生まれたままの姿にされた。
永遠は笑っていた。すごくすごく嬉しそうに。
その表情に私の胸が、きゅうっと締め付けられる。
落ちてきた長い髪の毛を耳にかけ直した永遠が私の秘部に顔を寄せて、まじまじとそこを見ていた。
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