18 一週間、プリセラと爛れた毎日を過ごす

 それから――一週間ほどの間、僕は毎日プリセラと関係を持った。


 授業が終わり、放課後になると僕の寮にこっそり二人で入り、シャワーを浴びた後、ベッド脇で軽くイチャイチャした後、そのままベッドになだれ込む……というのが、半ばルーティンのようになっていた。


 こんな関係を続けていてもいいのかなぁ、という葛藤はある。


 せめてプリセラとの関係が恋人同士ならいいけど、ただの幼なじみだし……うーん。


 ただ、そういう微妙な距離感のまま、だらだらとセックスを続ける退廃的な生活っていうのも――ちょっと憧れたりするんだよね。


 それに何よりも……プリセラの瑞々しい肉体から与えられる快楽に、僕はすっかり溺れてしまっていた。


『覚えたての猿』っていう言葉があるけど、僕はまさにそれだった。


 毎日、ひたすら何時間も肉の交わりに没頭する。


 プリセラとキスをして、胸に触れ、わき腹に触れ、股間に触れ、四肢に触れ、首筋に触れ――体中のあらゆる場所を指と唇、舌で触れ、そして交わり合い、貪り合った。


 同時に、僕のステータスは少しずつ上がっていく――。




 その日はモンスター討伐の演習クエストの日だった。


「久々の実戦かぁ……」


 一週間プリセラを抱いたことで、僕のステータスは+7だけ上がっている。


 いくら一度の行為で+1ずつしか上がらないとはいえ、回数を重ねていくとそれなりの数値になる。


 今回の演習は、ステータスアップの効果を試すチャンスだ。


 演習内容はクラスの生徒たちがランダムに選ばれて即席パーティを組み、ダンジョン内の指定された場所でモンスターを討伐すること。


 僕はCランク二人、Dランク二人と一緒にパーティを組み、ダンジョン内を進んだ。


「ちっ、Fランのアーロンかよ。俺たちの足を引っ張るなよ」

「クラスのFランはお前だけだし、本当に足手まといだよな」


 Cランクの男子二人がブツブツと文句を言っている。


「そんなこと言わないの。かわいそうでしょ」

「今回はこの五人が仲間なんだから、そういう言い方やめようよ」


 Dランクの女子二人は僕の味方をしてくれた。


 ありがたい。


「ちっ、そういえば最近、お前って妙に女子にモテてないか?」

「ああ、お前のスキルって女とヤるとステータスアップ効果を発揮するとか……なんか噂で聞いたぞ」

「い、いや、それは――」


 あんまり公になってほしくない事実だった。


「ふうん? あたし、興味あるなぁ」

「あたしもあたしも」


 案の定、女子二人は僕をキラキラした目で見ている。


 やっぱり、みんな強くなりたいよね。


 その方法が『僕と肉体関係を持つこと』であっても、それを望む者はやっぱり少なからずいるみたいだ。


 先日のアウラみたいに――。


「お、着いたぞ」

「あいつは【グレイグリズリー】だな。俺たちが前衛をやるから、お前らは魔法で援護、Fランは見物してろ」


 言って、二人は剣や槍を手に突っこんでいく。


 自分の力量に自信があるのか、その動きには迷いがなかった。


 実際、冒険者学園の二年生でCランクというのは強い方だ。


 学園全体でAランクは数人、Bランクが20人ほど、その下のCランクは100人前後だろうか。


 後の大半がDやEランクである。


 Cランクというのは、学内全体で上位10パーセントに入る実力者なのだ。


 ちなみにFランクは……まあ、二年生でこのランクにいるのが僕だけなので、本当に最底辺といっていい。


「う、うわぁぁぁぁっ……!?」


 ――なんて考えているうちに、今突っこんでいった男子二人が【グレイグリズリー】に吹き飛ばされた。


「あ、あれ?」


 意外と強いぞ、このモンスター。


 ぐるるるる……!


【グレイグリズリー】はうなり声で威嚇しながら、僕らに近づいてくる。


 女子二人は魔術師系で接近戦能力はほとんどない。


 僕も魔導師だけど、近接戦闘用の魔法を持っているから、ここは僕がなんとかするしかない。


「二人とも下がってて」


 さあ、僕の力を試してみよう。



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