17 プリセラは幼なじみへの恋心が止まらない2(プリセラ視点)
冒険者学園に入ったプリセラは、すぐに頭角を現した。
もともと剣の才能に優れていたことに加え、演習でのモンスター討伐やダンジョン探索などの実戦を経るごとに、彼女の剣技は加速的に磨かれていく。
一年のうちに早くも学園トップクラスの剣士と評されるようになり、二年になるころには剣で彼女に勝てる者はいなくなっていた。
自分の天分はここにあるのだと、プリセラはあらためて思った。
もう、貴族の家は捨ててもいい。
自分の生き方を認めてくれないなら、家を出てもいい。
そんな気持ちで、プリセラは冒険者を目指して、さらに修行を続けていく。
そんな中、彼女はアーロンと再会した。
あいかわらず彼はおとなしく、真面目だった。
変わらない彼が懐かしく、嬉しかった。
魔法の才能を見出され、そちらの道に進んだようだが、残念ながら魔術師としての才能は乏しいようだった。
一年生のころから模擬戦では連戦連敗、二年生に上がってもFランクのまま……という、学園でも最弱クラスの実力だった。
ただ、プリセラにとってアーロンがどんなランクだろうと関係はない。
彼女にとって大切な幼なじみなのだ。
むしろ、学園最底辺の成績で思い悩む彼を、なんとか支えたいと思うようになった。
そんな折――突然の変化が起きた。
アーロンが突然、第一等級のスキルを身に付けたという噂を聞いたのだ。
それは『女とのかかわり』がトリガーになっているらしく、それもかなり性的な内容のかかわりを持つことで、アーロンの能力が上昇する……という話だった。
スキル発動のために、アーロンが不特定多数の女と性的な関係を持つかもしれない――。
そう考えると、居ても立ってもいられなくなった。
強さに囚われ、倫理を忘れる――そんな人間にはなってほしくなかった。
だから、アーロンを救うためにプリセラは彼に会いに行ったのだ。
場合によっては、自分が体を張らなければならない、と覚悟も決めていた。
だから――アーロンを自分だけに引きつけておくために、処女を捧げた。
あくまでも彼を守るためだった。
それ以外の理由はない。
アーロンは大切な幼なじみだが、彼に対する感情は『親愛』だ。
恋心や男女間の愛情ではない。
ない、はずだ。
けれど、今は分からなくなっていた。
今のアーロンは、以前の彼とは違う。
その違いに――そして現在の彼に……急速に惹かれつつある。
『特別な行為』をした相手だから、『特別な関係』になりたい、そうでなければならない――という感覚はあるのかもしれない。
だが、それだけではないことも薄々気づき始めていた。
「あたし……もしかして、本気であーくんに……」
恋をしている、かもしれない。
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