6 スキルが自動発動して【魅了】&【発情】させてしまう
「ああ、いけないわ……教官が生徒に惹かれるなんて……」
「……へっ?」
見れば、マルグリット先生の目がトロンとなっている。
瞳の中に赤いハートが浮かんでいるのが見えた。
漫画的な表現ではなく、本当にハートが浮かんでいるのだ。
これは……もしかして【魅了】とか【発情】とかの効果なのか?
僕の意志とは無関係に、自動的に発動したのか――?
「ねえ、先生と……いやらしいことしない?」
言うなり、マルグリット先生はまったく躊躇なく服を脱ぎ始めた。
「う、うわわわわっ!?」
「可愛い反応ね……女は初めて?」
「い、いえ……」
「あら? 初心そうな顔して経験済みだなんて。でも、そんなところも可愛いわね……」
チロリと舌を出すと、マルグリット先生は僕を抱き寄せてきた。
同時に僕の胸元に指先を這わせてくる。
ぞぞぞぞっ……!
妖しい快感で鳥肌が立った。
「さあ……私を抱いて……」
言って、マルグリット先生が僕に唇を重ねてくる。
こんな綺麗な女性に官能的に迫られたら――ほとんど免疫のない僕には、抗うのが難しい。
そのまま裸のマルグリット先生に押し倒され、一気に欲情が高まり、そして――。
――僕はしばらくの間、教官室でめくるめくひと時を過ごしたのだった。
「ふう……すごくよかったわよ」
行為が一通り終わると、マルグリット先生は手早く衣服を身に付けてしまった。
終わった後はすぐに教官モードに戻っちゃうみたいだ。
いや、もしかしたら【魅了】や【発情】が解けてしまったのか?
――と、そのときだった。
『紋章保持者が女と交わったことでスキル効果が発動します』
突然、頭の中に声が響いた。
「えっ? えっ?」
手の甲が熱い。
紋章が浮かび上がっている。
これは――今まさにスキルが発動している、ってことか。
『紋章保持者及びマルグリット・パター両名の各ステータスが+1されます』
『紋章保持者はマルグリット・パターが使用可能なスキルの中から同一のスキルをランダムで一つ習得します』
****
名前 アーロン・ゼラ
クラス 魔導師
レベル 3
耐久 30→31
筋力 15→16
敏捷 20→21
知力 45→46
魔力 50→51
スキル
【魔法弾】【シールド】【ヒール】
【デッドリィファイア】←new!!
****
ステータスが+1された?
しかも新しく会得したっぽい【デッドリィファイア】はたぶんマルグリット先生の所持スキルだ。
それを僕も習得できた、ってことか。
いわゆるラーニングだろうか……?
これが【アスモデウス】の正式な効果――。
エルメリアと交わったときは、こんな表示はなかったけど、あれは行為後に初めてスキルを授かったからなのかもしれない。
最初からスキルを所持した状態で女性と性交したのは、今回が初めてだ。
だから、今回のこれが【アスモデウス】の正式な発動の仕方、ということなんだろうか。
……と、そんな考察よりも、今は優先すべきことがあった。
「……あの、マルグリット先生」
僕は彼女を見つめた。
「一つ、お願いしたいことがあるんです」
「何かしら? もう一回したいとか?」
艶然と微笑むマルグリット先生。
それはそれで魅力的な誘いだけど、今は違う話だ。
「僕に第一等級のスキル紋章が宿ったのは、『普段からの修行の成果で覚醒した』って報告してほしいんです」
「修行の成果……?」
「神や悪魔から力を授かったとか、そんなふうに噂を立てられるのは嫌なので……お願いできますか?」
「君がそう言うならいいわよ」
やったぞ!
僕は心の中で快哉を叫ぶ。
やっぱり一度肌を重ねた仲だからか、甘い判断をしてくれたみたいだ。
いや、あるいは――【魅了】辺りの効果が残っているのかな?
どちらにせよ、『魔王から力を授けられた』という事実を隠せるのはありがたい。
結果的に、マルグリット先生と関係を持ったのは大正解だったみたいだ――。
「ただし」
マルグリット先生が僕を見つめた。
「うっ、何か条件があるのかな……?」
思わず緊張する僕。
「もう一回、私を抱いて……久しぶりに男と寝たんだもの。一回くらいじゃ満足できないわ。ふふふ」
妖しい流し目に僕はゾクリとなった。
「わ、分かりました……!」
興奮で声を上ずらせながら、僕はマルグリット先生の裸体に手を伸ばしていく――。
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