第2話
「なぁ、翔太、一真。俺ら、最後の答え、本当に適当なんだ。だから、たぶんこれが最後だ…」
優斗が寂しそうに笑みを浮かべながら呟く。
「ごめん」
玲奈が全てを悟ったように呟いた。
「そんなこと言うなよ、とりあえず一杯いこうぜ?な??」
彼らは、会場の下にある古びたバーに向かうことにした。
重い扉を開くと、どこか不気味な空気が漂っている。
「なんだか、感じの悪い店だな…」
翔太がつぶやく。
「ほんと、なんか怖い」
玲奈の声が震えている。誰もいない店内に一抹の不安を感じつつ、四人は席についた。
「す、すいませーん!」
玲奈が呼ぶと、奥から古びた服を着た老店主がゆっくりと現れた。しわだらけの顔にどこか冷たい微笑みを浮かべている。
「やぁ、若者たち。こんな薄暗い店に何しに来たんだね?」
まるでここに来るのが分かっていたかのような煽り口調で、老人は鋭い視線で彼らを見つめる。翔太が少し苦笑し、「今…命がけのゲームの最中でしてね」と答えると、老人はうなずきながら、答えた。
「ふはは、まあ、気づいてはいるだろうが、わしはゲームの関係者じゃ。最後の結果発表、つまり"死ぬ前に"一杯とな?そういうことだろう?まあ、諦めるな若者よ。君たちにもし チ・ャ・ン・ス があるとしたら?」
老人の言葉に、四人は思わず顔を見合わせた。
「チャンス…?それはどういう意味ですか?」
玲奈が尋ねる。老人は微笑みながら答えた。
「君たちがそのデスゲームから抜け出せる唯一の方法、それは…仲間を信じ、共に同じ答えを導き出すことだ。心を合わせた者のみに、チャンスが訪れる」
その言葉は、深い謎と恐怖の中で彼らの心を打った。翔太は3人をそれぞれ見つめ、長年の親友としての絆がそこにあることを感じたが、すでに解答は提出済みだった。
「つまりどうしろってことだよ…」
疲弊した彼らには、考える余地がなかった。
翔太は、小さな笑みを浮かべる。
「なあ、俺ら生きて帰ろうな?」
優斗は、翔太の言葉に力強くうなずいた。
「お前らがいなきゃ、ここまで来れなかったしな…こうしてまだ一緒にいられているのも、全部お前らのおかげだ」
翔太、優斗、一真、玲奈は固く手を握り合い、お互いの友情を胸に刻んだ。どんなに厳しい状況でも、互いに支え合ってきたことが強い絆を作り上げていた。
「よっしゃ。最後に、乾杯」
グラスの甲高い音が、最後の始まりを告げた。
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