デスゲームの狭間

Neon

第1話

「ラストゲーム。制限時間は3分。間違えればシ・ニ・マ・ス」


 冷たい機械音声が響くなか、Aチームの翔太と一真は息を詰めて数式を見つめる。天才的な頭脳を持つ一真は即座に解答を開始した。その様子を翔太は、信頼と驚きを込めて見守っている。


一真かずま、すごいな…こんなに難しい数式を解けるなんて」


 一真は集中したまま、淡々と答えた。


「数学ってのは感情じゃなくて理論で成り立つ。感情に流されると、誤る可能性が高くなるからな」


「さすがだよ。お前がいてくれてよかった」


 翔太の言葉に一真は小さくうなずく。


「俺も同じだ。こうしてお互いが支え合ってきたからな。ここまで来られてよかったぜ、翔太」


 一真が静かに答えた。


 一方、Bチームの優斗と玲奈は、同じ数式に悪戦苦闘していた。焦りの色が濃くなるなか、玲奈は頭を抱え、諦めかけた声でつぶやく。


「こんな数式、私たちに解ける訳ない…」


「玲奈!!諦めるな!!!俺たちはここまで一緒に戦ってきたんだ。やるしかない!!」


 優斗は強い口調で玲奈を励ました。玲奈もその言葉に勇気をもらい、二人で懸命に数式を埋めていく。残り10秒というところで、玲奈が直感的に叫んだ。


「待って!こっちじゃなくて、こっちかもしれない…」


「おいっ、うそだろ??」


 優斗は焦りながらも玲奈の指示に従い、急いで解答を変更した。


「頼む…間に合ってくれ」


 残り1秒というところで2人は回答終了ボタンを押し込んだ。


 その瞬間、ビーという警告音が鳴り響く。


「解答を受け付けました。結果発表まで15分間の休憩を挟みます」


 ほっと息をつくものの、緊張感は消えない。


 彼らは互いに目を見合わせ、無言のままゲーム会場を後にした。

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