第51話 裏の裏


そんな遺体の見つかったニュースを見てから俺は気晴らしと思って勉強をした。

それから周囲の安全を確認してから家からアイスを買いに出る。

そうしてから俺はコンビニに来た。


「...」


アイスを手に持ってから俺は考える。

腐敗死体は...橋本なのか?

そんな事を考えながら俺は置いてからまたアイスを見る。

そうしていると「やあ」と声がした。


「山田?」

「...君がこの場所に来るのが見えてね。悪いとは思ったけど後をつけさせてもらったよ。ごめん」

「いや。...良いんだが...何か用か?」

「...彼女が重要参考人として警察に同行されて呼ばれた。...豊橋がね」

「...え?...何で捕まった」

「彼女は橋本を殺害した容疑があって...それで重要参考人として呼ばれた...んだけどね」


そして山田はアイスを手に持ってから「これを買おう」と言う。

俺は山田を見据える。

それから「「〜どね」って言い方は...どうしてそんな言い方をするんだ」と聞く。

すると山田は「...これは全て裏があるんじゃないかって思っているんだ」と言葉を発しながら俺を見た。


「...裏があるっていうのは」

「気にはならないか?...橋本が殺害されたのは...何か裏がありそうじゃないか?」

「...確かにそうだが...だけど裏って何と言えるんだ」

「...気にしすぎかもしれないけど。...これは起こるべくして起こったんじゃないかなって」

「...」


俺はアイスを持つ。

それから購入してから山田と一緒に食べる。

山田は無言でチョコアイスを食べる。

そして食べ終えた頃でこう口を開いた。


「...実はね。...かなりお金が回っているみたいでね」

「...誰が回しているんだ」

「それは簡単に言えば大富豪だよ」

「...何か掴んでいるのか?」

「疑いたくはないけど。...この大きな出来事は柊子さんの親御さんの仕業じゃないかなって思うんだ」


俺は見開く。

それから山田にバッと向く。

そして「どういう事だ」と聞く。

山田は全てを説明し始めた。


「実は柊子さんの親御さんはお金持ちらしくてね」

「...お金持ちなのは知っているが...何故?」

「彼女の親は周りの邪魔なものを根絶やしにしているらしくてね。...ライバルを」

「つまり...」

「橋本の親はそれなりに有名なお金持ちだ。...だから抹殺されたんじゃないかな」

「そんな馬鹿な事、日本じゃ許されないだろ。...どうなっている...」

「そして柊子さんの親御さんはかなり上の人と仲が良いらしくてね。...事実上、闇に葬っているんじゃないかな」

「...よく分かったな。お前そういうの」

「俺は無駄に頭が良いから」


山田はそう言いながら肩をすくめる。

それから「とは言っても予想だけど」とアイスのパッケージをぐしゃぐしゃにする。

俺はその言葉に「...」となってから考える。

そしてハッとする。


「...おい。じゃあ...まさか」

「全て初めから仕組まれた運命って可能性もあるよね」

「...アイツ。...豊島も犠牲になったって事か」

「分からないね。...だけどどっかで関わっていた可能性もあるよね」

「...」


じゃあ全ての責任は...柊子に?

いや。親に...?

それは柊子は知っているのか?

そう思いながら考え込んでいると「そこまでだよ。山田くん」と声がした。

顔を上げると柊子が居た。


「柊子。待て。どうなっている」

「大体予想は合っている...かもね。私の親は悪事を重ねている可能性があるっていうのは」

「...やはりそうなんだね」

「...」


山田は「...」となってから「...君はどこから知っていたんだい?」と言う。

そんな山田の言葉に柊子は目線を俺に向ける。

それから「...ここ最近、勘付き始めた」と答える。

その言葉に山田は「君の親は指示をして殺人を犯している可能性がある。みんな悲しむだけだ。...これでは豊島と同じだ。どうにかして通信を取る方法は無いのかい」と聞いた。


「...無いよ。...私は...彼達とは絶縁している」

「柊子。今連絡を取らないとヤバい気がするんだが」

「...そう言っても連絡の取りようが無いんだ。...本当に」

「俺みたいに後悔はしてほしくないな。今直ぐになんとかしないと」


そして山田はゴミ箱にゴミを捨てながら俺と柊子を見る。

山田は「次のやりがいのある獲物を探している可能性がある。...今直ぐに悪事を止めないと大変な事になると思うけどね。...うん」と話した。

俺はそんな言葉にまた柊子を見た。


「...そうだね」


アイスのバーをゴミ箱に捨てる。

それから悲しげな顔をする柊子を見た。

柊子は風に吹かれながら「...」となってから空の彼方を見る。

そしてこう切り出した。


「...実家に行かないと何も分からない。...だけど...その住所にまだ居るかどうか。それに会いたくはない」

「そうなんだな...」

「...そうだね。...俺も今は会いたいかって言われたら会えないだろうね」

「...」


俺達は考え込む。

それから俺は「とにかく」と手を叩いた。

そして3人を見る。

その様子に「予想もある。外れる事を祈ろう」と言う。


「...そうだね。...君が言うのは全て事実とは限らないだろうから」

「だけど...」

「大丈夫だ。...当たってもきっとどうにかなる」

「...うん。あーちゃんが言うなら」


そして俺は立ち上がる。

それから...ゴミ箱に最後のゴミを捨ててから顔を見合う。

山田と...柊子を見る。

そうしてから空を見上げた。

負けない。

絶対に。

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