第50話 容赦の無い次元
体育祭の練習の最中どっかのグルグルゲームもどきがあった。
で、練習は終わり。
俺は帰宅してからシャワーを浴びてスマホを開いて...ゲームをしていた。
それから俺は少しだけ遊んだ後に起き上がる。
何か落ち着かないのだが...。
「...山田達のせいか。ったく」
そう呟きながら俺はスマホゲームを閉じる。
そして俺は勉強をしようと思い教科書、ノートを取り出す。
今日の事を書き留めてから気を晴らそう。
思いながら俺はスマホを横に置いてから勉強を始めた。
「...」
すると電話がかかってきた。
俺は「!?」と思いながらビクッとしつつ電話の主を見る。
柊子であった。
「もしもし?柊子か」
「あ、うん。何かパトカーかな。サイレンがうるさくて...それで気晴らしにって思って...あーちゃんに電話した」
「サイレン?...何か事件か?」
「まあ多分取り締まりとかじゃないかな。...それはそうともしかして勉強してた?」
「ああ。問題無いよ。...何だか集中も出来なかったから」
「集中できないの?」
「...何かがつっかかってな。...それで」
「あー。分かる気がする。...何だかつっかえたら何もできないよね」
柊子はそう楽しそうに話す。
俺はその言葉に笑みを浮かべながら窓から外を見たり。
本棚の汚れを拭いたりしていた。
「柊子」
「...ん?何?あーちゃん」
「お前は俺と付き合って正解だったか?」
「正解も何も。正解しかないよ。...私、付き合って良かった」
「そうか。...良かったよ。お前にそう言われて」
「まあ無理矢理だったけどね。...だけど嬉しかった。山田くん達には感謝かな」
そして柊子は柔和な声になる。
声に対して俺も何だか優しい気持ちになる。
優しいというか。
小鳥が囀る様な感じ。
「...それはそうと玉城さんって...大丈夫かな」
「玉城は...そうだな。体育祭までに戻ってこれれば良いけどな。...橋本もどっかで高笑いしているんだろうけど妬ましいもんだ」
「...そうだね。次会った時には...もう...」
気持ちは分からんでもない。
俺はそう考えつつ柊子の冷徹な声を聞く。
アイツら相当ウザい。
そう考えながら俺はいるとインターフォンが鳴った。
まさか。
「...いや...まさかな」
インターフォンを覗く。
すると予想外の人物が警察官と一緒に居た。
それは羽鳥さんだった。
俺は慌てて柊子に用事を告げてから玄関を開ける。
「...羽鳥さん?」
「よお。元気か」
「...どうしたんですか?」
「いや。聞き込みってのをやってんの。...実は...帰宅当初から行方が分からない人が居てね。その人に関して捜索願が出されてね」
「...行方が分からない?」
「ああ。...女性なんだけど」
そして羽鳥さんは何かを取り出す。
それは書類の様なものだった。
俺に対して聞いてくる。
「橋本未来って名前を聞いた事あるかな」
「...橋本...って...」
「県立高校。...まあその。影島が通っていた高校の生徒さんだけど」
「...聞いた事ありますけど...行方は知らないです」
「だろうな。...どんな生徒さんな感じか知ってるか?」
「...嫌味な野郎ですね」
「そうなんだな」
書類に書き留めていく羽鳥さん。
俺は「橋本がどうしたんですか」と聞いてみた。
すると羽鳥さんはペンの後ろ側で頭を掻く。
それから「...んー。いやね。...女性の叫び声が聞こえたって通報があってね」と羽鳥さんは話す。
「...その事件と共通しているかは...ちょっと分からないけど」
「...そうなんですね」
「それでまあ念の為にこうして聞きに回っているって話」
すると羽鳥さんは無線を使っていた警官から何かを聞いた。
それから目を丸くしてから「...成程な」と言いながら俺に向く。
そして慌てる様に書類を仕舞った。
そうして右手を挙げる。
「じゃあ。ありがとう」
「...はい」
「戸締りとかしっかりな。...一応...念の為に」
「...はい...」
そして羽鳥さんは頭を下げてからそのまま出て行く。
その姿を見送ってから俺は顎に手を添える。
何が起こっているのか分からないが不気味だな。
思いつつ俺は玄関に鍵をかけた。
☆
何かがおかしい。
そう思いながら私は...外を見ていた。
ずっとサイレンが鳴っている。
もう1時間以上。
「...」
サイレンがうるさくて勉強とかに集中出来ない。
先程は警察官も来たし。
何か聞き込みを行なっている気がするが...。
大きな事件でも起こったのだろうか。
思いながらテレビを観てみると。
地元で性別不明の制服を着た身体が腐敗した遺体が土の中から発見されたというニュースがあった。
私は「...」となってからジッとテレビを観る。
正直不気味すぎる。
何が起こっている...?
「...」
私は静かにニュースを観る。
この地元でそんな事件が起こるのがおかしいんだけど。
「あーちゃんは大丈夫かな...」
そんな事を呟きながら私は戸締りをしっかりする。
それからドアに鍵をかけた。
そして私は通信を直ぐにとる。
相手は勿論あーちゃんだ。
(あーちゃん。大丈夫?)
(ああ。あ、ニュース観たか?地元でこんな事が起こるなんてな。...不気味と思わないか)
(...そうだね。もしかして行方不明の橋本かな?ってそんな訳ないよね)
(ああ。きっと違うけど...でも地元でこんな事が起こるなんて思わなかったよ)
(だね...)
私はニュースを観る。
ニュースはこう話していた。
腐敗死体は意図的に腐敗された形跡があると。
どうなっているのだ...。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます