最終章 最後の敵

第49話 ¿

吊り橋効果とは。

要は危険な時こそ好きになるかもしれない問題...という事だ。

いや遊ぶなよ...何を考えてんだ田城の野郎は?

そう思いながら俺は同じく部屋に閉じ込められている柊子を見た。

柊子はオドオドしながら俺をチラチラ見てくる。


「何を考えているんだ田城は...」

「そ、そうだね。あは、あはは...」

「大丈夫か?柊子」

「だ、大丈夫...」


柊子の心臓はまだそん...いや。

上がっている。

俺を見てから赤面している。

その事に反応しながら心拍計は上がっていく。

俺は盛大に溜息を吐いた。


「柊子。...俺が好きか」

「...そうだね。大好き」

「...分かった。...じゃあこのままゲームを続行出来ない」

「え?」

「何故ならこれは恋愛じゃ無いから。...結婚しよう」


そう言うとまさかの言葉だったのか柊子は目を回し始めた。

そして心拍計から鍵が出てくる。

俺はその鍵を...使う前にドアが開いた。

それから田城がパーティー用のグッズを持ってから現れる。


「待ってました」

「...お前コラ。...全く」

「良いじゃないか。...俺も痛いしていたぞ」


外を見ると何故かうちのクラスのクラスメイトが沢山居た。

それから俺達を見ている。

まさかずっと見ていたのかコイツら。

そう思いながら見ていると山田が「君は本当に好きなのかい?柊子さんが」と言ってくる。

俺は赤面しながら柊子を見る。


「...まあ好き...というか。こんな可愛い子は居ないだろ。他に」

「そうか。...やっと吐き出したね。その言葉を」

「...お前な。計画していたのか」


すると「立案者は俺だ」と声がした。

教室から出て右に会長さんが居た。

「私も居ます」という感じで遠山さんも出てくる。

俺は盛大に溜息を吐いた。


「たまには楽しくないといけないだろう」

「...そうっすね。会長。先生達を騙すのも苦労しましたよね」

「そうだな。...さて皆。戻ろうか」


そしてクラスメイト達は「オメェ」とか。

「おめでとう。暁月くん」とか言って去って行く。

みんな去ってから最後に会長さんが俺に向いてくる。

山田と田城も見てくる。


「おめでとう」

「...本当にな。全く」

「本音を引き出すのがこんなに苦労するものとは思わなかったよ」

「余計な事するなよ...会長さん」

「良いじゃないか。楽しいしな」

「そうですよね」


それから俺は結婚を条件に。

柊子と付き合う事になってしまった。

正直、恋愛話とかすっ飛ばしているがまあ良いか。

どうせ結婚するのがゴールだしな。



影島が死んだ、という内容は私の耳に届いた。

だがまさかこんな目に遭うとは思わなかったのだが。

このクソ女。

そう思いながら私は霞む意識の中...目の前の豊橋を見る。

貯金の100万円持ってきたらいきなり男に暗闇で包丁らしきもので腹を刺された。


「この、豊橋。...ふざけるな!!!!!」

「お金持ってきたら用済みだよ。貴方も」

「このクソ女...!」


ここは廃工場。

血が止まらないのだが...これマズイ。

絶対に死ぬ。

そう思いながら私は体を引きずりながら表に出ようとするが。

そのまま意識は無くなった。



正直言って...この女も怪しかったしね。

そう思いながら私はドラム缶から降りる。

それから息絶えたと思える橋本を見る。

さてどうしたものか。

このままこの女の死体をどうするかだが。


「豊橋...どうするんだよこれ。...マジに死んだぞ」

「落ち着いて。...この女は始末すれば良いから」

「よくお前...こんな真似を...!」


そう言いながら井上翔也は私を見る。

そんな井上翔也は駒使いだ。

金で雇っている兵隊みたいなものだし。

私に対して...忠実に従ってくれる。


「...死体はとにかく廃工場の奥に埋める。...まあ警察には捕まらないよ。...大丈夫」

「本当だな!?お前を信じるぞ!マジに!!!!!」

「...それに捕まっても死刑にはならないよ。...貴方はまだ17歳だしね」


私も捕まってもお金は残る。

だから問題は無い。

そして私をオドオドしながら見る手が鮮血に染まっている井上翔也を見る。

私はそのまま目の前の死体を土に埋める。

それから大量の肉と骨を溶かす薬剤を入れた。


「何でお前はこんな真似が出来るんだ?手慣れすぎてないか?」

「私の親は薬品を扱う会社だから」

「...だからと言って非道すぎる...気がするんだが」

「黙って従って。さもないと貴方捕まるよ」


まあとは言ってもそれが計画なのだけど。

コイツに怖さを染み付かせてそのまま逃げれない様にしている。

あと私はこれを使っている。


特製の電気ショック棒。

市販の物品で回路を設計して作った。

火傷と痛みが生じる。


「ば、やめ!?」

「火傷したくなかったら指示に従え」

「...や、やめて下さい...」


それで良い。

正直言って邪魔な奴らはみんなこの世から消えてほしい。

そう思いながら私は薄ら笑いを浮かべながら土下座している井上翔也を見る。

井上翔也は私に服従しなくてはならないのだ。

誰にも邪魔させない。

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