第31話 地鳴り
☆
ニュースで知ったけどアイツ。
豊島が木製バットで襲われたらしい。
こういう事を浮かべるのは最低だろうけど何というかこれは天誅を与える大チャンスではなかろうか。
そう思いながら私はテレビを観る。
するとグループチャットが回ってきた。
その相手はクラスメイト達である。
丁度、中央に山田くんが居る。
(まさかだったよな。まさか一発目に坂田が警察に捕まるとか)
(...そうだな。犠牲になった形だわ)
(だよなぁ)
そんな感じでグループラインのホットニュースはやはり坂田くんが捕まってしまった事だった。
私は...静かにそのチャットを見つめる。
すると山田くんが(取り敢えず今後の事を先ずは考えないかい)と提案する。
私達は(そうだな)と言う。
(多分怒りに満ち満ちているんだと思う。相手はね)
(仕留めきれなかったのが最大の問題だな)
(坂田達...よくやったけど。...甘いよな)
その様な会話が続く。
私はその言葉に(みんな。有難う)と言う。
すると山田くんは(ん?何がだい?)と反応した。
そんな山田くんに私は(...ずっと2人で戦うものって思っていた。...みんなが...こうやって戦ってくれるのが有難い)と本音を話す。
(俺達のクラスメイトだしな)
(それなぁ。だからやっているけど...まあ坂田達のやった事は駄目だけどな)
(自らの犠牲を顧みてないしな)
(そうそう。だから困ったもんだ)
(アイツら警察から解放されるなら署名活動とかあったら一発で俺はサインすっぞ)
そう言いながら話は進む。
すると山田くんが(で。秀水さん)と言ってくる。
私は(はい)と返事をした。
山田くんは(豊島は...また襲ってくる可能性は考えられるかな。彼女的に)と言う。
その山田くんに私は(...ですね)と返事をした。
もしかしたら1倍どころか2倍の速度で襲ってくる。
復讐してくるかもしれないから。
警戒しないといけない。
(君...確か彼女の幼馴染だったんだよね?)
(よく知ってますね)
(...前の学校の事。影島も知っているって言った通りだけどね。...あれは実は...弟が通っていた学校だったから)
(でも学年とかが違うのでは?)
(...当時から本当にいけすかない学校だって思っていたよ。...だからその事もあって色々と調べていてね。...その結果だけど君達の関係性が明らかになった形かな)
(そうだったんですね)
その文章を書いた山田くんに返事をしながら居ると玉城さんが(その。...知っていたんですか?その人達の事なんですけど...)と書いてきた。
私は(...知らなかったよ。...私達の関係が破綻した後の話だから)と書く。
(そもそも知っているなら全て記載しているから)
(そうですね...)
(なあ。秀水)
(うん)
(その。そいつらの事で何か知ったりとかしたのか)
(基本的に連絡は絶っているから。だから何も知らない)
(そうだったんだな)
クラスメイト達は本気で坂田くん達が捕まった事を案じている様だった。
私はそんなクラスメイト達に(アイツは執念深いから)と書く。
それから(恐らく逆襲もしてくると思う)とも。
すると(そうだな)と山田くんが反応した。
(彼女はマジに襲ってくるかもしれない。...みんな気をつけよう)
(坂田達が残念だったけど...仕方がない。今は警戒だな)
(最悪の場合、俺達の身が危ない)
(だね...)
みんなそう話す。
私はみんなの言葉に(有難う。みんな)と反応する。
(俺らはみんなの身を案じているだけだ)と書く。
そしてみんなも(警察に訴えても無理だよな?)とか話す。
(警察にって暴行したの俺らなんだから。相手様が悪いとかじゃなく俺らが最初にやってしまって悪いんだから)と言う。
(まあそうだな)
(で?班長の警察予備軍の山田よ。...どうする?)
(俺がいつの間に班長になったのか分からないけど...そうだね。こうなった以上は仕方がないから。...だからまあ...先手先手で乗り越えるしかないかな)
(そうだな。確かにそれしかねぇか)
(私もそう思う)
そしてみんな悩み始める。
私はその言葉にまた私も悩む。
すると玉城さんが(私...警察に訴えるのは賛成です。でも...きっと...否定されると思います)と書いた。
確かにそうかもしれない。
(俺の叔父にあたってみるよ。...警察に訴えるよりかは効果があると思う。そこら辺の警察に訴えるよりかはね。捜査しているみたいだし)
(あー。頼めるか?山田班長)
(頼むぞ班長)
(班長)
(取り敢えず俺は班長ではないよ)
(いや。生徒会副会長だろお前)
私はクスクスと笑いながらみんなの姿を見る。
するとみんなは(んじゃまあその話はここでおいて置いて。...今度、みんなで遊園地行かね?)と言う。
(いや子供かよ)とツッコミがあった。
(ならどうすんだ)と怒ったツッコミもあり...楽しい。
(はい。俺カラオケしたい)
(俺はショッピングセンター行きたい)
(俺は叫びたい)
(君が好きだ〜と叫びたーい)
(自由か!)
ノリノリのクラスメイト達を見ながら私は別のメッセージを観てみる。
あーちゃん達が参加してない...。
心配だ。
そう思いながら居ると少しだけ経ってからあーちゃん達も参加してきた。
泉ちゃんも、だ。
良かった、と思いながら私はあーちゃん達に話しかける。
(ニュースをもしかして観た?)
(ああ。観たよ。...結構衝撃だわ)
(それで遅くなったの?)
(そう。...泉と話していてな。すまん)
私は言葉に悩みながら(やっぱりまた来るかな。アイツら)と聞いてみる。
するとあーちゃんは(先ず間違いなく襲ってくる。...お前も知っているだろうけど)と記載してきた。
その言葉に(だね)と返事をする。
(だけどもう容赦はしない。...俺は...みんなに支えられたから)
(そうかい)
(ああ。山田。お前にも世話になったし。...鮫島さんにも世話になったしな)
それからあーちゃんは強い決心を表明する。
私は(...無理はしないでね?)と書く。
あーちゃんは(ああ)と返事を書いてくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます